60:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:04:19.59 ID:pYPvRrqT0
「ッ……!!」
瞬間、全員が息を呑んだ。
プロデューサーも、未来も、歌っている翼ですら。
静香以外の全員の呼吸が、一瞬止まった。
61:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:05:37.34 ID:pYPvRrqT0
――存在証明する “蒼”生きてゆくための証
響け この胸のファクター――!
それはその場の誰も聴いたことのない歌声だった。
誰も見たことのない最上静香がそこに居た。
62:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:06:29.74 ID:pYPvRrqT0
翼の歌が一段階上がった。
いや、引き上げられた。
静香の歌に惹かれ、引かれ、さらに高みへと引き上げられた。
だが静香はそれにも気付かない。
63:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:07:31.07 ID:pYPvRrqT0
静香「――……ハアッ、ハアッ、ハアッ……!」
……たった一曲。
たった一曲歌っただけで、こんなにも息を乱した静香の姿が今まであっただろうか。
何百メートル、何千メートルと全力疾走したかのような疲弊した姿。
64:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:09:31.54 ID:pYPvRrqT0
P「翼も、それでいいな?」
翼「はーい、異論なしでーす。ちょっぴり悔しいけど……でも、しょうがないよね」
翼も間違いなく本気だった。
65:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:11:02.29 ID:pYPvRrqT0
返事を待つことなく、静香はレッスンルームを飛び出した。
三人は暫時閉まった扉を見つめ、それからプロデューサーが翼に向いて言った。
P「……ごめんな、翼」
66:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:13:22.56 ID:pYPvRrqT0
・
・
・
控室の前で立ち止まり、静香は呼吸を整える。
そうしてぐっと体に力を入れ、ドアノブを回した。
67:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:15:04.01 ID:pYPvRrqT0
千早「っ……! 静香、それじゃあ……」
そこでようやく、静香は頭を上げる。
そして半ば泣きそうな顔で、
68:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:17:35.00 ID:pYPvRrqT0
千早「もしかしたら全部間違っていたかもしれない。
私の気持ちを、あなたに直接伝えるという方法もあったかも知れない。
けれどそうしてしまうと、私はまた、『上の立場』としてあなたに接してしまう。
そんな気がして……。だからあんな方法しか取れなかったの」
69:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:18:34.88 ID:pYPvRrqT0
千早「嬉しいわ……これで、やっと……。あなたと、高め合うことができる」
静香「ッ……!」
畏怖――静香が抱いた感情はそれに近い。
102Res/83.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20