65: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/09/30(月) 23:05:19.90 ID:P1xDypFl0
――――――――――――――
ここまで
時間に余裕ができたので復活します。
66:名無しNIPPER[sage]
2019/09/30(月) 23:06:19.02 ID:dq6clWtLo
乙
67:名無しNIPPER[sage]
2019/09/30(月) 23:21:22.08 ID:TSuSFOEko
お疲れ様です
68:名無しNIPPER[sage]
2019/09/30(月) 23:32:38.16 ID:gW9YMopTO
乙。
アカン、扶桑型戦艦とは、戦艦山城とは、そういう生死の境をこそ楽しむように「成って」しまった存在ではなかっただろうか?
69: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 00:59:27.68 ID:1OeslLNk0
最初は聞き間違いかとも思った。
だって、それは語義がテレコになっていない。意味が対義になっていない。普通ならば苦しみながら生きるのか、はたまた死んで楽になるのか、そういう話のはずだ。そういうときに使われるべき文句のはずだ。
負に負、正に正を足したって、符合は変わらない。
70: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:00:01.85 ID:1OeslLNk0
「おおよそ三日後、母艦『しおさい』は苫小牧か室蘭、余裕のあるほうの港に停泊する。お前はそこで下船し、札幌を目指せ。北大付属の病院に空きがある。新千歳まで行けば職も斡旋してくれるそうだ。勿論、艦娘じゃない、綺麗な仕事を」
「ま、待ってください! 待って!
話が急すぎます! なにがなんだか……まるでわからない! 私には故郷があります! 家族がいます! 鎮首府と、そこのみんなが私を待ってくれているんです!」
71: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:00:31.34 ID:1OeslLNk0
「一旦落ち着け。そして落ち着いたまま聞け。
……お前の受け入れは拒否された。艦籍は剥奪された。最早お前は無所属の艦娘だ」
「うそ」
72: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:01:25.08 ID:1OeslLNk0
「この世には失敗が許されない任務というものがあります。失敗はありえないのです。ありえない。わかりますか? もし失敗したのなら、『そもそも任務があったことさえ抹消される』。当然、参加した艦娘は、初めからいなかった」
「だからなに? だから私が? 信じられると思う?」
73: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:02:01.41 ID:1OeslLNk0
息が詰まる。指先が震える。怪我は、だいぶ治ったというのに。
うそだ。うそに決まっている。
確かに私の人生は不幸ばかりだった。不幸続きの人生だった。不幸と地続きに道が伸びていた。だけど、それでも、こんな、うそだ、こんなのってうそだ!
74: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:02:40.16 ID:1OeslLNk0
「ありえない。プライドの高い上層部が、そんなことを認めるはずがない」
ただでさえ最近は、深海棲艦という火急を要する存在の登場によって、予算の増加と発言権の強化を得ているというのに。
わざわざあいつらが既得権益を手放すとは思えなかった。
75: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:03:47.40 ID:1OeslLNk0
「いま後藤田提督が仰ったように、提督自身は空軍からの出向です。ポーラとグラーフは同盟国からの協力。大淀は海軍のお目付け役。不知火と大鷹は……生き残りです。他に行くあてもなかったもので。
山城さん、あなたは新しい土地で暮らすことができます。選択肢があるというのは大事なことです。不知火たちにはありませんでした。どうかお幸せに生きてください」
幸せに。
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