75: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/03(木) 01:03:47.40 ID:1OeslLNk0
「いま後藤田提督が仰ったように、提督自身は空軍からの出向です。ポーラとグラーフは同盟国からの協力。大淀は海軍のお目付け役。不知火と大鷹は……生き残りです。他に行くあてもなかったもので。
山城さん、あなたは新しい土地で暮らすことができます。選択肢があるというのは大事なことです。不知火たちにはありませんでした。どうかお幸せに生きてください」
幸せに。
楽に、生きる。
うそだ。と喉元まででかかっているのに、さらに先へと向かってくれない。
空中を二度叩けばバーチャルウインドウが立ち上がるだろう。設定→端末情報→識別番号と階層を進めば、そこには私の鎮首府の基地コードの主番と枝番が記載されているはずだ。
私の鎮首府の主番は27、枝番は7。そうだ、それを確認するだけでいい。そうすればこのひとたちの言っていることがたちの悪い冗談で、私の帰るべき故郷は、友人たちは、きちんと脳裏に思い描いた通りの岬にいることが明らかになる。
だのに。
私はどうしてそれをしないのだ。
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