「我々の願いは、この素敵な道具が叶えてくれる」
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8: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:47:53.28 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宿屋の主人「じゃ○んで予約の勇者ご一行様ですね。シングルを4部屋お取りしておりますので、お一人ずつこちらにご記入願います」
戦士「おお僧侶、やったではないか」
9: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:50:04.94 ID:All9ssB20
宿屋の主人「ところで皆様、お食事はお済みでしょうか?」
勇者「いや、素敵な仲間たちのおかげで飲まず食わずなんですよ」チラッ
僧侶(反応したら負けですよ)
10: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:51:24.35 ID:All9ssB20
勇者「何だ何だ? みんな俺のことを誤解していないか? アルハラとかしないと思うよ? セクハラもしない可能性だってあるよ!」
僧侶「その恐れはもちろんありますけど! それだけじゃなくてですね……」
魔法使い「あのギャラリーを見なよ」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/08/18(日) 20:06:08.01 ID:vebNTMWS0
どこでもドアだな
12: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:44:42.03 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜(数ヶ月後)〜〜〜〜〜
勇者「このあたりまで来ると、魔物の数が段違いに増えるな」
戦士「平原に魔物の群れがいるのが当たり前になっているとはな」
13: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:46:24.31 ID:All9ssB20
魔法使い「大変よ……っ!」
勇者「大変なのは俺の立ち位置だよ! 正論が一切通らないよ!」
魔法使い「平原でなにふざけてるの!」
14: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:48:37.79 ID:All9ssB20
勇者「王国の置かれてる現状について、王国なり教会なりがちゃんと教育しようよ」
僧侶「人々の機微は、教えてどうなるというものではないですからね……」
戦士「ここはやはり正々堂々、正面から戦いを挑むべきであろう」
15: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:50:44.69 ID:All9ssB20
勇者「そこは老舗で国王公認の宗教である教会が頑張れよ!」
勇者「気に入らない勢力を弾圧して迫害して高笑いするのは神のオハコだろ?」
勇者「もう一回『魔女狩り』やっちゃえよ! 官製ホロコースト万歳!」
16: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:08:25.88 ID:All9ssB20
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勇者「皆さん、この丘を越えれば大きな街が見えてきます。もう少しの辛抱ですよ」
勇者「私は、圧倒的な劣勢をものともせず、果敢に魔物に立ち向かった皆さんを誇りに思っていますよ」
17: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:11:07.49 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
戦士「いや勇者、かたじけない」
僧侶「まさか、勇者さんが私たちを蘇生させてくれるとは思いませんでした」
18: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:12:22.98 ID:All9ssB20
僧侶「では早速明日にはこの街を出発しますか?」
勇者「ここから先は魔物の数も増えるだろうし、北方にたどり着くまで大きな街もないから、明日は装備品なんかを整えておきたいな」
ブーブブッ ブーブブッ
19: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:14:30.51 ID:All9ssB20
戦士「なんと! 奴らの目的は何だ!」
僧侶「この街にはいつごろ到達しそうなんですか?」
魔法使い「国王軍の動きはどうなってるのかしら?」
20: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:16:26.00 ID:All9ssB20
僧侶「魔王軍の狙いは何でしょうか?」
戦士「この街を制圧して魔王軍の拠点にするには、魔物の多い地域から離れすぎている。勇者を中心とする我々魔王討伐隊を叩くのが目的と考えていいだろう」
僧侶「だとすると、私たちの行動が魔王軍に知られているということになりますよ」
21: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:17:34.96 ID:All9ssB20
戦士「この街の守り方と我々の進み方は切り離して考えられぬ問題なのだ。拙速な行動は事態を悪化させると思うが」
僧侶「そうなると、私たちもこの街の防衛に参加することになるんでしょうか」
勇者「魔物の目的は俺達なんだろ? 俺達がこの街にいなければこの街も安泰だろ?」
22: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:20:21.18 ID:All9ssB20
勇者「えっ!?」
僧侶「どうしたんですか急に」
魔法使い「魔法石版の情報に右往左往して情けないって言ってるの!」
23: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:22:21.19 ID:All9ssB20
魔法使い「そうね……、極力北方の街に近い海沿いの風景がいいかしら」
魔法使い「海沿いの風景を切り取った『絵』なんて石版上に無数に掲示されているわ。この中から比較的北方地域に近い場所の『絵』を拝借して、そこに『平和な海の様子に心が癒される。魔物の本拠地は近いというのに』とか添えてつぶやけばいいのよ」
魔法使い「それを見た魔物たちは大急ぎで北方地域に引き返すわ。そうすれば、この街も、私たちも安泰よ」
24: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:24:23.42 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜(所変わって)〜〜〜〜〜
側近「魔王様、勇者の動向が判明しました」
魔王「ふむ、今回の勇者隊は能力の高い者が多いと聞いていたので、気になっていたぞ」
25: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:26:49.07 ID:All9ssB20
側近「はい……、実は、我が軍は勇者隊を取り逃がしてしまったのですが、山中を逃走中の勇者隊を、人間の山賊たちが取り押さえて刈ったのです」
魔王「ほう……?」
側近「我々の調査によると、『勇者隊が街の人を見捨てて逃走した』という情報が人間の王国じゅうに広まっていたようで、それを聞きつけた人間の山賊が義憤に駆られて勇者隊を処刑したようです」
26: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:29:35.26 ID:All9ssB20
側近「それは確か、人間の王国で広まっているという石版ではありませんか?」
魔王「ふむ、魔石を削りだして、初歩的な伝心魔法を使えるようにしたものだな」
側近「王国中に広まっていると聞いたときは、私も穏やかではありませんでした。何しろ、伝心魔法は我々魔族でも限られたものにしか扱えない高等魔法なのですから」
27: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:31:57.22 ID:All9ssB20
側近「なんと……」
側近「しかし、人間たちも馬鹿ではありません。いずれ魔法石版の使い方を習得したら、我々の脅威になるのでは?」
魔王「いずれは……な。守勢から攻勢に転じるのに何十年掛かるか分からんが」
28:名無しNIPPER[saga]
2019/08/18(日) 22:56:13.55 ID:vebNTMWS0
ドラえもんかと思ったのに
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