79: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:31:52.65 ID:BON9hvjh0
「――あっ、プロデューサー。ここに居たんだ」
そんな感傷に浸る俺へ、掛けられる凛とした声。それに気づいて、俺は立ち上がる。そこに居たのは、あのトロフィーを持った、ドレス姿の渋谷さんの姿。
『渋谷さん、おめでとう。凄く綺麗だった』
80: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:33:00.13 ID:BON9hvjh0
「“これ以上、俺が重荷になるわけには行かない”……なんて、考えているんでしょ、プロデューサー?」
どくん、と心臓が跳ねた。考えていたことをピタリ、と言い当てられたのだから当然だろうけれども。見やれば、少し不機嫌そうな渋谷さんの顔。
「あのさ、プロデューサー。私がここまでこれたのはプロデューサーがいたからだよ。なのに重荷なんてはず、ないじゃん」
81: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:33:27.61 ID:BON9hvjh0
「夢なんかじゃないよ。夢なんかじゃ」
そして、渋谷さんは思い出したように、
「……そうだ、プロデューサー。あの約束、覚えてる?」
82: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:34:09.89 ID:BON9hvjh0
「“凛”……って、そう呼んでほしいな。いつまでも“渋谷さん”なんて、他人行儀だから」
そんな、些細なお願い。思わず目を丸くする。そう言えば、確かに渋谷さんのことをそう呼んだことはない。ほかのプロデューサーは下の名前で呼んでいる人もいるのに。
『そんなのでいいのか?』
83: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:34:36.50 ID:BON9hvjh0
「プロデューサーは自分のことを“半人前”って言うけどさ」
『うん』
「私だって、何も知らなかった私から、ようやく“半人前”のアイドルにはなれたと思ってるんだ」
84: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:37:27.36 ID:BON9hvjh0
今回の更新で、この作品は完結となります。
またシリーズと言えるかどうかは分かりませんが、七人目の正直から始まった一連の作品群もこれで終わりです。
構想してから都合六年でようやく終わることが出来ました。
読んでいただけた方々には感謝しかありません。ありがとうございました。
85:名無しNIPPER[sage]
2019/08/18(日) 20:15:30.26 ID:HemI3qE0o
お疲れ様でした
四面楚歌から知ってシリーズ全部読んだよ
しかし強そうなCoプロだ…
86:名無しNIPPER[sage]
2019/08/18(日) 21:03:54.21 ID:TcQpB08bO
お疲れ様でした。
最後の1人は予想がついてたけどやっぱり作品で見たいし、また更新してくれて嬉しかったです。
3年待ったけど待ってて良かった、ありがとうございます。
87:名無しNIPPER
2019/08/19(月) 22:22:06.39 ID:2V09kfHe0
感動をありがとうございます。
7から読み直してきます。
88:名無しNIPPER[sage]
2019/08/23(金) 01:03:35.73 ID:XV4USbbX0
乙
>>77の部分が最高だな
88Res/88.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20