83: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:34:36.50 ID:BON9hvjh0
「プロデューサーは自分のことを“半人前”って言うけどさ」
『うん』
「私だって、何も知らなかった私から、ようやく“半人前”のアイドルにはなれたと思ってるんだ」
『……うん』
「てことはさ」
俺を見上げ、少し熱っぽい視線で見上げる彼女と目が合う。そこに、もう胡乱なものはどこにもない。
あるのは、大切な何かを見据えた一人の少女の姿。
そして凛は、笑った。少しだけ、背伸びをしながら。
「私も“半人前”で、プロデューサーも“半人前”なら、二人で“一人前”ってことでしょ。……だからね、プロデューサー」
「これからもずっと、プロデュースしてよ……ずっと、ね?」
それが、凛からのプロポーズだったことを知るのは、少し後の事で――。
――これはとある“持たざる者”とアイドルの、二人で“一人前”の物語。
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