竜の子「まるで、生命の輝きみたいだ」生贄娘「なかなか、言い得て妙ですね」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:11:08.40 ID:kW3uxFR3O
「もう、若様ったら……『また』ですか?」
「……ごめんなさい」

可愛い子には旅をさせよ。

そんな格言がドラゴンにもあるかどうかは定かではないが、竜の子は今、旅をしている。
この広い世界を巡り、実際に己の眼で様々なことを見て、物事を見極める判断力を養う為だ。

「これまた広大な世界地図を描きましたね」
「ううっ……恥ずかしいよぅ」

人間には良い人間と悪い人間がいる。
しかし、そう単純に割り切れるものではなく。
魔物と比較すると、善悪の見極めは困難だ。

時に良いことをして、時に悪いこともする。
時に優しくて、時に厳しい。
時にまともで、時に狂っている。

「くんくん……おしっこ臭いですねぇ」
「い、言わないで……嗅がないで」
「フハッ!」
「わ、嗤わないでぇっ!?」
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

竜の子と旅をする人間は、そういう人物だ。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:14:06.75 ID:kW3uxFR3O
「若様、ズボンが乾いたら出発ですよ」

手際よく、ズボンを洗い、干す人間の娘。
竜の子の旅の道連れであり、パートナー。
腰まで伸びた亜麻色の長い髪が陽光に照らされキラキラ輝き、サラサラと風になびいている。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:17:19.69 ID:kW3uxFR3O
「若様、絶対にフードを脱いではいけません」
「うん……わかった。気をつける」
「では、出発です」

竜の子は言われた通りにフードを目深に被り。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:20:16.63 ID:kW3uxFR3O
「若様、そろそろ海が見えてきますよ」
「海?」

しばらく歩くと、地平線の先が途絶えた。
生贄娘に言われてよく見ると、水平線だ。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:25:11.99 ID:kW3uxFR3O
「おっと、ごめんよ」

ドン! と、通行人と肩がぶつかって。
竜の子はその場に尻餅をついてしまった。
するとフードが取れてその正体が露わとなる。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:27:39.55 ID:kW3uxFR3O
「というわけで、今日からお前らは奴隷だ」

生贄娘と竜の子に行商人改め奴隷商は告げた。

「女は俺がしばらく飼って飽きたら売り払う。そして化け物は当然、見世物小屋行きだ」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:31:06.42 ID:kW3uxFR3O
「ひっ! ま、待ってくれ! 命だけは!」
「はい。命だけは助けてあげましょう」

己の身の安全と優位性を失った奴隷商はすぐさま命乞いをして、生贄娘はその要求を飲んだ。
とはいえこのまま解放するわけにはいかない。
以下略 AAS



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