竜の子「まるで、生命の輝きみたいだ」生贄娘「なかなか、言い得て妙ですね」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 22:17:19.69 ID:kW3uxFR3O
「若様、絶対にフードを脱いではいけません」
「うん……わかった。気をつける」
「では、出発です」

竜の子は言われた通りにフードを目深に被り。
生贄娘としっかり手を繋ぎ、街道を歩きだす。
そうすると旅の母子、もしくは姉弟に見える。
たまに母と面影が重なり、竜の子が間違えて母上と呼ぶと生贄娘はお姉ちゃんと呼べと返す。

「おや、姉弟で旅行かい?」
「やっぱりそう見えます?」
「違うのかい?」
「いえ、その通りですのでお気になさらずに」
「随分と気立ての良いお姉さんにサービスだ」
「ありがとうございます!」

だから、姉弟に見えた時の方が機嫌が良い。
道すがら行商のおじさんに声をかけられた生贄娘は、ホクホク顔で貰ったリンゴをかじった。

「美味しいリンゴですねぇ」
「うん、美味しい。あのおじさんは優しいね」
「行商人はああして顔を売っているのですよ」
「じゃあ、本当は悪いおじさんなの?」
「利害が一致するかによって、変わります」
「たとえば?」
「若様の正体を知ったら恐らく、見世物小屋に売り飛ばそうとするのでお気をつけください」
「……人間って怖い」

人間は恐ろしい生き物だと、つくづく思う。
竜の子はこれまで幾度も、危機に直面した。
そもそも生贄娘と出会うきっかけとなったのも住処を人間に襲われたからだ。おっかない。

「ご安心下さいませ」

怯え震える竜の子に、優しく微笑む生贄娘は。

「若様をお護りするのが、生贄の務めです」

そんなお伽話の騎士様みたいなことを言った。


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