27:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:17:59.83 ID:zmX2O7Gg0
育「いたっ! ぐっ……このくらい平気だよ。どんな姿でも、ターニャはターニャだ。君がぼくを食べるなんて、そんなことあるもんか」
環「グゥゥゥ!!」
育「初めて君と見つめ合ったとき、夕焼けみたいにきれいな目だと思った……今だってそうだよ。今夜初めて月の光に照らされる君の目を見てる。きれいだよ、ターニャ」
28:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:18:28.62 ID:zmX2O7Gg0
環「ん……もう、朝……。わっ!」
育「……」スヤスヤ
環「イグナス、なんでここに――って、うわああどうしよう! まだ月が沈んでないぞ!」
29:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:18:58.72 ID:zmX2O7Gg0
環「……待って、イグナス」
モフッ
環「イグナスはターニャのことを考えてくれてたんだよね。ターニャを、ひとりぼっちにさせたくなかったんだよね」
30:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:19:33.60 ID:zmX2O7Gg0
育「覚えてないかもしれないけど、満月を見て暴れていた君にぼくが呼びかけたら、君はおとなしくなって、それからずっと眠ってたんだよ」
環「そうなの……?」
育「ぼくの言葉が通じたんだ。ならこの先だって、ぼくが食べられる心配なんてありっこないんだよ」
31:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:20:02.22 ID:zmX2O7Gg0
美也「さて、今朝はオムレツにポテト、それからとれたてのプチトマトを添えて……」
育「ミランダさん、ちょっといいですか?」
美也「おや、イグナスさん。姫様とご一緒ではなかったのですか?」
32:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:20:30.22 ID:zmX2O7Gg0
――数日後、王宮
海美「先祖返りしたターニャを魔術なしで抑えた!? 例のイグナスくんが?」
33:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:20:58.22 ID:zmX2O7Gg0
恵美「ありがとう。……ん? イグナスくんの母方のお祖父さん、うちの国の出身なんだね」
海美「そうみたい。列車事故よりも前に病気で亡くなられたみたいだけど」
恵美「待って。この事故のとき彼が乗ってた車両、損傷が一番激しかったところじゃないか。ここで無傷で生き延びたなんて、普通じゃありえない」
34:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:21:33.83 ID:zmX2O7Gg0
――さらに数日後
美也「イグナスさん、手のケガの調子はいかがですか?」
35:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:22:01.37 ID:zmX2O7Gg0
美也「もうすぐ日が沈みます。月もうっすら見えてきましたね〜」
環「ターニャ、ほんとにだいじょうぶなのかな。あっ耳が」ピョコン
育「だいじょうぶだよ。ぼくを信じて」
36:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:22:27.20 ID:zmX2O7Gg0
育「……ターニャ」
環「ガゥゥ……」
育「ターニャ、ぼくがわかる?」
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