169: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:09:03.38 ID:l0zubfjX0
兄ちゃんは、とっても辛そうだった。
「兄ちゃん、そっち行っていい?」
170: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:09:30.12 ID:l0zubfjX0
夜の風が、ベランダに座り込む真美たちに吹きつける。
「うー、さぶいさぶい……兄ちゃん、真美より薄着だけどだいじょーぶ?」
171: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:10:05.68 ID:l0zubfjX0
謝って項垂れる兄ちゃんを見て、真美はなんとなく分かった。
「俺は、知ってたんだ」
172: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:10:45.74 ID:l0zubfjX0
「真美の想いを知ってて、踏みにじったんだ、俺は」
兄ちゃんはゆっくりとゆっくりと、自分を締め付けていく。
173: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:11:13.61 ID:l0zubfjX0
「兄ちゃん、震えてる」
「あ……本当だ。情けないな……」
174: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:11:47.69 ID:l0zubfjX0
「本気だったんだな、真美は」
「うん、そーだよ」
175: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:12:19.01 ID:l0zubfjX0
「そんな大切なものを弄んだのに」
兄ちゃんの声が、また少し震えた。
176: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:13:22.91 ID:l0zubfjX0
でも、今は違う。
兄ちゃんは、真美のことを見てくれてる。
177: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:13:51.15 ID:l0zubfjX0
「それに最初からね、真美が兄ちゃんのこと、怒れるわけないじゃん」
兄ちゃんを抱きしめたまま上を見ると、繁華街の明かりは見えない。
178: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/20(木) 02:14:23.70 ID:l0zubfjX0
目を閉じると。
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