【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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296: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:08:48.36 ID:9I+qLSeE0

「え……と。それでは……?」
「コンセプトは良い。君の発想に欠けているのは、我が社の設備や人材、コネクションをどう効率的に使うかという視点だよ。プロデューサーを名乗る以上、そこを外してはいけない」
「ご存知の通り、弊社は業界の各所に太いパイプを持ちます。独力にこだわらず、使えるものをフルに活用してこそ、かと……」

以下略 AAS



297: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:10:19.56 ID:9I+qLSeE0

「どういう心境の変化があったのかは、敢えて聞かないよ。ただもう一つ……君の最初の一手を聞いておきたい」
「最初の一手、ですか?」
「今になって飛び込んでこようと言うんだ。何か秘策があるんじゃないかね?」

以下略 AAS



298: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:11:45.54 ID:9I+qLSeE0

  ◆◆◆◆


 ここでアイドル高垣楓の初仕事を紹介しておこう。
以下略 AAS



299: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:13:55.89 ID:9I+qLSeE0

   〇


 それから、色んなことがあった。
以下略 AAS



300: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:15:24.53 ID:9I+qLSeE0

「君のお父上から電話があったよ」
「それは……仕事についてでしょうか?」
「いいや、ただの近況報告さ。色々と懐かしい話をした。……元気そうで何よりだ」

以下略 AAS



301: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:19:52.26 ID:9I+qLSeE0

 始まりは、デスクの他にはダンボールばかりの、資材倉庫再利用の地下オフィス。
 デビュー当初の高垣さんの仕事は主にバラエティ、旅番組、街頭で着ぐるみを着て風船を配ったりも。
 
 彼女は、自ら進んで「高垣楓」を崩していった。
以下略 AAS



302: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:21:19.51 ID:9I+qLSeE0

  〇


 または、忙しさもほんの少し落ち着いた、いつかのある夜のことだったり。
以下略 AAS



303: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:22:15.85 ID:9I+qLSeE0

 確かに、高垣さんはこのところよく笑う。時にはふっと穏やかに、時には子供みたいにけらけらと。
 そうした予測不可能な天真爛漫さがウケて、今では若年層のファンも相当数ついている。

 彼女自身が元から持っていた魅力の一部だ。アイドルの仕事は、単にそれを引き出しただけに過ぎない。
以下略 AAS



304: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:22:51.47 ID:9I+qLSeE0

 彼女は自分で自分の顔に触れた。
 目を閉じて、顔の左側。泣きぼくろを備えた左眼のあたりを撫で、形のいい柳眉、まぶた、長い睫毛にそっと触れて。

 そこに宿る大切なものと、言葉を介さず語り合う気配。
以下略 AAS



305: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:26:18.69 ID:9I+qLSeE0

  ◆◆◆◆


 高垣楓のステージは、街角のごく小さなものだった。
以下略 AAS



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