【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
303: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:22:15.85 ID:9I+qLSeE0

 確かに、高垣さんはこのところよく笑う。時にはふっと穏やかに、時には子供みたいにけらけらと。
 そうした予測不可能な天真爛漫さがウケて、今では若年層のファンも相当数ついている。

 彼女自身が元から持っていた魅力の一部だ。アイドルの仕事は、単にそれを引き出しただけに過ぎない。

 子供っぽくも、神秘的に。「高垣楓」は、そのどちらの面も併せ持つ。どちらか一方だけではいけないのだ。
 そうでしょう――と、俺は彼女の左側の青に内心で語りかける。

「楽しいから、ですね。楽しいんです。私、いま――楽しいなぁ」

 夜空に向かって歌うように告げて、高垣さんはふと足を止める。

「今まで……ずっと、何かを、追いかけていた気がします」
「はい?」
「それが今、何だったのか、わかってきたような」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice