【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/09/05(木) 01:22:15.85 ID:9I+qLSeE0
確かに、高垣さんはこのところよく笑う。時にはふっと穏やかに、時には子供みたいにけらけらと。
そうした予測不可能な天真爛漫さがウケて、今では若年層のファンも相当数ついている。
彼女自身が元から持っていた魅力の一部だ。アイドルの仕事は、単にそれを引き出しただけに過ぎない。
子供っぽくも、神秘的に。「高垣楓」は、そのどちらの面も併せ持つ。どちらか一方だけではいけないのだ。
そうでしょう――と、俺は彼女の左側の青に内心で語りかける。
「楽しいから、ですね。楽しいんです。私、いま――楽しいなぁ」
夜空に向かって歌うように告げて、高垣さんはふと足を止める。
「今まで……ずっと、何かを、追いかけていた気がします」
「はい?」
「それが今、何だったのか、わかってきたような」
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