76: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:07:01.59 ID:9pdDfgPfo
視界が狭くなってうっすら暗くなったような気がした。
エミリーの言葉が頭の中でグルグル回り、だんだんとそれが胸まで下りてきて蔦のように心臓を締め付けてくる。
エミリーも言いすぎたと思ったのか、一瞬息を呑んで私の反応を伺っているように見えた。
77: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:08:25.72 ID:9pdDfgPfo
「……なんでよ…………ここまでしてるってのに…………バカ……バカ……バカバカバカバカっ……!! ばかぁっ!!」
力の入らない両腕でエミリーの肩をわずかに揺する。
78: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:08:59.61 ID:9pdDfgPfo
綺麗に分けた前髪をグシャグシャと崩して、だらんと顔の前に垂らしてから、ハサミを開いて額に当てる。
「《何して……!?》」
「あんたがいつまで経っても忘れたまんまだからでしょうがっ……!」
79: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:09:44.45 ID:9pdDfgPfo
80: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:10:25.69 ID:9pdDfgPfo
81: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:11:17.48 ID:9pdDfgPfo
引きつったような声を吐き出したエミリーは、次の瞬間フッと力が抜けたように肩をカクリと落とし、頭を後ろへ投げ出すように、向こう側へ倒れていく。
「ちょっ……エミリー!?」
82: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:15:56.32 ID:9pdDfgPfo
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83: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:16:41.18 ID:9pdDfgPfo
「こんばんは。 ミナセ・イオリちゃんだね」
しばらく一人でぼーっとしてたら、声をかけられた。ふりかえると、金ぱつのおっきな男の人がいた。
84: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:17:43.65 ID:9pdDfgPfo
おやしきをしばらく歩いて二階へ上がると、おじさんはある部屋の前で立ち止まってコンコンとノックをした。
「...Who is it?」
85: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:18:48.11 ID:9pdDfgPfo
「I'm so boring to dye, daddy.」
「Sorry, sweetheart.」
おじさんと英語で少しだけお話しているのをながめていると、その子もあたしに気がついた。
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