エミリーが忘れた日
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76: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:07:01.59 ID:9pdDfgPfo
 
視界が狭くなってうっすら暗くなったような気がした。
エミリーの言葉が頭の中でグルグル回り、だんだんとそれが胸まで下りてきて蔦のように心臓を締め付けてくる。
エミリーも言いすぎたと思ったのか、一瞬息を呑んで私の反応を伺っているように見えた。

なんで──こんなに言ってるのに、なんで分かってくれないの?
そんなのあんまりじゃない。

「……関係あるのよ……っ」

絞り出した一言をきっかけに、やるせなさが次から次へと溢れてきて止められなくなるのを感じた。

「……いい加減に、してよ……!!」

視界がじわりと歪んで、ぼやけて、目元が熱くなる。もうだめだ。

「関係おおありなのよっ!! どうしてっ……思い出してくれないのよっ!!」
「《お願いだから……もうやめて……》」
「《やめない!!》」

エミリーの体がビクリと跳ねた。

「《思い出すまで何度でも言ってやるわよ!!》」

私はまっすぐ見つめているのに、頑なに目線を合わせようとしない。

「《あんたが大和撫子を目指すきっかけになった女よ……いたでしょ……!?》」

エミリーはぐしゃぐしゃの顔を横に振った。

「《ここで……この場所で初めて出会った、あんたの大事なお友達じゃなかったの……!?》」

両目をぎゅっと瞑り、涙を絞り出してまた横に振った。

「《あんたがいつまでたってもちゃんと名前を覚えない、日本人の美少女がいたでしょ!?》」
「《……だから……分からないの……っ》」

弱弱しく顔を横に動かして、エミリーはついにかすれ声で泣き出した。


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