75: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:05:55.54 ID:9pdDfgPfo
「《そうね……エミリーが一番辛いってこと、忘れてしまっていたわ。 ごめんなさい》」
ゆっくりと肩をさすって落ち着かせながら、できるだけ優しく話しかけていく。
「《ただ私は、エミリーが全部思い出して元に戻れるようにって……》」
「《思い出すことなんてありません……結局言葉もきちんと話せないままなのに……》」
少し冷静さを取り戻したエミリーが鼻声で訴えた。
「《あのね、それは……あんたがもっと大事なことを思い出せないからなのよ》」
「《これ以上何を思い出せって言うんですか……?》」」
「《あんたが小さい頃に会った女が……日本人の友達がいるでしょ》」
「《何度言われても、そんなの……わかりません》」
私は部屋の隅に置いておいた絵筒を、また目の前に持ってきてやった。
もう見たくないとでも言いたげに眉を曲げるエミリーはお構いなしに、また絵を広げて見せてやる。
「《ほら、この絵の……》」
「《だからっ……分からないんですっ……!!》」
全部広げきる前に、エミリーは私の手からそれを弾き飛ばした。もう一度拾って、また見せる。
「《ほら、こっちがエミリーで……こっちの、パッツンの……!》」
「《もうやめてください……!》」
エミリーはとうとう叫びだした。
「《そんなこと私が思い出せなくても……あなたには、何の関係もないでしょ!?》」
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