エミリーが忘れた日
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78: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:08:59.61 ID:9pdDfgPfo
 
綺麗に分けた前髪をグシャグシャと崩して、だらんと顔の前に垂らしてから、ハサミを開いて額に当てる。

「《何して……!?》」
「あんたがいつまで経っても忘れたまんまだからでしょうがっ……!」
「《だめ……何してるんですか!? だめ…………っ!!》」

私の右腕を抑えようとするエミリーを振り切って、あてがった刃をこめかみからこめかみまで横切らせた。

「これでも──」

そのまま勢い任せに、

「これでも……思い出さないのかって──」

右手に思いっきり力を加えて、

「言ってるのよぉっ──!!」
「《だめええぇぇっ!!》」


一思いに握り込む。



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