3: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/04/24(水) 23:33:05.97 ID:q0ukqms/0
「プロデューサーさん」
美也がもう一度口にした。
4: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/04/24(水) 23:36:03.37 ID:q0ukqms/0
実際、クッションの角を指先でふにふにしながら紡がれる声は、
宴の喧騒の中でも聞き取りやすく。私は一々相槌を返しながら。
「確かに。美也は劇場でパーティをする時に毎回手伝ってくれるものな」
5: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/04/24(水) 23:39:33.56 ID:q0ukqms/0
「まぁ、それも仕事であるし……」
「なんと〜……お祝いはお仕事だったんですか?」
6: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/04/24(水) 23:42:28.46 ID:q0ukqms/0
結果、予想だにしなかった展開に慌てて申し開く為の言葉を探し。
「だが仕事と言っても人としての仕事、夢のハッピーライフを送るためには逃げてはならない道の事で。
決してプロデューサーであるとか何だとかの立場的責務から君たちをお祝いしてるワケじゃないぞ!」
7: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/04/24(水) 23:43:42.71 ID:q0ukqms/0
「……それで、そう、プロデューサーさん? 私、お願いがあったんです」
「お願い?」私の返事には瞬きがセットだった。視線を髪溜まりから彼女の顔へ。
8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:03:01.64 ID:HvshuUb/0
===
さて、こうして話は繋がった。
しかし彼女の"お願い"を聞かされた私はと言えば、たった一言「はぁ」と不明瞭な返事をした他は、
9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:06:00.00 ID:HvshuUb/0
もしや私の頭は他人より数段デキが悪く、そのせいで動機の理解が追い付かないのだ!
なんて事も一瞬ばかり考えたが、これでも人並みの生活を送っている以上、
こんな馬鹿げた想像は速やかにゴミ箱へ入れるべきであろう。
10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:07:42.69 ID:HvshuUb/0
「美也」
「はい」
11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:09:02.09 ID:HvshuUb/0
「プロデューサーさん?」
私は即座に立ち上がった。
12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:10:05.02 ID:HvshuUb/0
だがしかし、まさにこれから行動を起こさんとする私と美也が扉の前に立った瞬間。
「ちょっとお兄ちゃん! 美也さんをドコに連れて行く気?」
13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:11:44.78 ID:HvshuUb/0
「まぁ待て桃子、どうやら誤解があるじゃないか」
などと私が言い訳しつつ辺りを見れば、一体これはどうした事か?
この場は既に主役など居なくてもそれぞれが盛り上がる無法の地へと変わっていた。
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