545:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:22:07.41 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介(やはり隙を突こうにも二段攻撃が同時に防御の役割も果たしている。攻撃は最大の防御とはまさにこのことだな。ならば今必要なのは力よりも手数。こちらも二段攻撃にするか? やはり乱に協力を仰いで……いや)
死闘の最中、彼は先ほどの愛栗子の言葉を思い出した。
546:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:23:34.81 ID:7Hi8D/RJ0
彼は覚悟を決めると素早く源氏の後ろに回り込んだ。
だが度重なる激闘の中で更に研ぎ澄まされた源氏の戦闘感の前ではその程度は不意を突くに至らず。源氏も直ぐに向きを変えて応戦にかかる。
しかし
547:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:24:59.00 ID:7Hi8D/RJ0
源氏(クソッ!)
紺之介にとっては千載一遇の好機。決着にも直結する一太刀を加えられそうな瞬間であったが彼はあえてそうはせず後方の愛刀を素早く拾い上げた。
源氏(何だと……?)
548:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:25:50.39 ID:7Hi8D/RJ0
源氏「ハッ! 抜かったな紺之介ェ! だが最期まで愛刀に拘る姿勢は嫌いじゃねェぜ!」
紺之介「その通りだ! 例え慣れぬ二刀だろうとこいつさえあれば!」
紺之介による高速の乱撃が始まる。
549:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:26:38.02 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介「ふゥッ! くゥ!」
源氏「クソッ! 洒落臭せェ!」
とうとう攻守は完全に逆転。
550:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:27:36.04 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介「あ゛ァ゛ッ!!!」
紺之介の最後の一振りが幼刀児子炉を叩き割りその勢いのまま刃は源氏の身体へと振り下ろされた。
源氏「ガッ……!?」
551:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:28:48.49 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介「……狂人め」
紺之介の疲労困憊も限界を迎え両手から力なく刀を手放すと尻もちをついて座り込む。
息も絶え絶えに折れた児子炉の柄を握りこむとそこから黒服の少女が姿を現し紺之介の方へと倒れ込んだ。
愛栗子もそこへ駆け寄りて座り込むとまず紺之介から金時計を回収し倒れた児子炉を抱きかかえた。
552:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:34:13.81 ID:7Hi8D/RJ0
児子炉「しょう、ぐん、さま……どぉ、して……」
最早憎き愛栗子に抱えられていることも分からぬといった様子で虚に手を伸ばす児子炉の頬を愛栗子がなでる。
愛栗子「それはの、将軍様がぬしのことを最も愛しておったからじゃ」
553:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:34:54.36 ID:7Hi8D/RJ0
愛栗子「ぬしを最後の刀としたのはぬしに永遠を生きて欲しい反面でまだ人であって欲しかったという裏返しだったのじゃ。将軍様はの、本当はぬしと共に生きて、ぬしとともに永眠りたかったに違いないのじゃ」
愛栗子は児子炉の瞳で澱む涙を指で拭うと光に包まれて世を去る少女に最後の言葉を送った。
愛栗子「ほれ、はよう将軍様の所へ行ってやれ。きっと、今頃ぬしを刀にしたことを後悔して寂しがっておる……」
554:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:35:30.22 ID:7Hi8D/RJ0
児子炉「う、ん……」
微かに首を縦に動かすと児子炉は目を閉じて粉雪のように霧散した。
555:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:36:08.73 ID:7Hi8D/RJ0
方や激闘の疲れを少しでも癒し、方や感傷に浸りて暫し座り込んでいた二人であったがその空気を読んでか読まずか乱怒攻流が庄司の刀を片付けながら紺之介を指でつついた。
乱怒攻流「ちょっと〜生きてる〜? 終わったことだし早く帰りましょ?」
紺之介「少しくらい休ませてくれ。あと暫くしたら軽く穴を掘る。手伝え」
602Res/308.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20