357:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:12:35.36 ID:jJ6/ECAP0
奴「う゛〜」
袖口が下に引かれたので顔合わせてみればそこにあったのは眉を下げしべそかきの奴。彼女の手は内股にあり。
紺之介「あぁ」
358:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:13:10.69 ID:jJ6/ECAP0
乱怒攻流「……何があったか知んないけどさ、いつまでぶすっとしてんのよ」
愛栗子「知らぬな」
愛栗子は乱怒攻流の竹串を持つ手を払いのけると扇子を開いてそっぽを向いた。開かれた扇子は彼女の頬をすら覆いて蓋のようにそこにあり。
359:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:14:07.54 ID:jJ6/ECAP0
乱怒攻流「そこまで露骨に拗ねられると流石に分かるわよ。なんであんたがあんな刀馬鹿のこと気に入ってるのかは未だによくわかんないんだけどだけどさ〜?」
愛栗子そっと扇子を下に傾ける。
360:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:14:44.21 ID:jJ6/ECAP0
愛栗子「まあ、ぬしにも大人の恋路というやつが分かってきたようじゃし少しくらい聞かせてやるとするかの」
乱怒攻流「なによそれ。まあいいわ……で、何」
「聞かせる」と言ったもののまだ若干の勿体ぶりをにおわせる愛栗子。
361:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:15:29.27 ID:jJ6/ECAP0
愛栗子「無論、あやつの強さや芯の太さに惹かれておるところはある。しかしの……」
愛栗子「『運命の糸』と言われたらぬしは信じるかの? 瞳にその者の姿をとめた瞬間から、己はそれを愛するさだめと想うことじゃ」
乱怒攻流「何よそれ、結局一目惚れってこと?」
362:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:16:20.55 ID:jJ6/ECAP0
愛栗子「この衝撃は、あのおのこを見たとき以来じゃった。今やどうなったかも分からぬ……あの愛しきれなかったおのこと同じ。『これを愛す故に我魂此処に在り』と」
その愛栗子の真剣な呟きを耳に入れ乱怒攻流やっと目を見開かせる。
363:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:17:11.68 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「世話になった。代はここに置いておく」
紺之介が奴の手を引いて暖簾に腕押しながら二人に呼びかけた。
紺之介「お前ら、食ったなら行くぞ」
364:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:17:47.95 ID:jJ6/ECAP0
……………………
365:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:18:43.51 ID:jJ6/ECAP0
奴の駆け出した後から他三人も刃踏と落ち合う。
紺之介「須小丸は」
刃踏「はい。須小丸さんならもう落ち着いてますよ」
366:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:22:26.17 ID:jJ6/ECAP0
刃踏が腕持つ彼は頭を抱えていた。それもそのはずでここにて情報収集を諦めることは即ち『無駄足』以外の何物でもないからである。
児子炉による源氏の魔の手はすぐそこにある。しかし衝突を避け続けるのもまた透水の命に関わる。
此処に止まれるは今夜一杯と考えている紺之介にとってこの決断は差し出された苦渋を嬉々と呑むに等しいものであった。
367:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:23:35.95 ID:jJ6/ECAP0
彼女が刃踏を睨むような目つきで見つめるとその視線に気がついた刃踏が愛栗子に近づき耳元で囁いた。
刃踏「今夜、お話しませんか。みんなが寝た後宿裏で待っています」
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