349:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:05:28.89 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「源氏という男は……ひたすら強者を求める狂人たる剣客だ。故に人知を超えた力を秘めたる幼刀と戦うことでその欲望を満たそうとしている」
須小丸「そんな身勝手な理由で俎板を……! あいつは戦を望むようなやつじゃなかったのに」
紺之介の口から聞いた源氏の人格があまりにも悪鬼羅刹をなぞっており須小丸は深く落胆喪心した。
350:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:06:25.99 ID:jJ6/ECAP0
再び額を畳に落とし涙でそこを湿らせる須小丸。
一方でもはや情報収集どころではなくなった紺之介は若干困惑気味ではあったものの、とりあえずの同情を重ね最後は刃踏に彼を一任した。
紺之介「フミ、須小丸を少し頼んでいいか」
351:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:07:45.85 ID:jJ6/ECAP0
紺之介(さてどうしたものか……)
二度目の茶居戸抜けて以降彼らは急ぎ足前へ前への旅路であった。というのも当然といえばそれで何しろここへ訪れたところで新たな幼刀を収集できるというわけではないからである。
欲しいのはあくまで有力な情報、児子炉の明確な強さ、詳細な幼刀破壊の動機等……それが集まればいざ最後の収集へ。
352:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:08:56.87 ID:jJ6/ECAP0
しかしながら貴重な情報源の男があれでは手詰まりというもの。
余裕のなかった筈の彼らにはからずも時間が生まれた。
となれば紺之介彼の人求めるはただ一つ。
353:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:09:43.74 ID:jJ6/ECAP0
奴「う゛ー!」
紺之介「お、っと。はぁこれだから山里は」
乱怒攻流「いやその都では流行みたいな言い方やめなさいよっ」
354:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:10:31.50 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「……何処か休めそうな場所はあったか」
乱怒攻流「あ〜……まあ、茶屋くらいなら?」
紺之介「何故刀鍛冶がいなくて茶屋がある! っ〜……まあいい、行くぞ」
355:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:11:19.56 ID:jJ6/ECAP0
………………………
「くず餅です。ではごゆっくり」
乱怒攻流「黒蜜とかないわけ?」
356:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:11:50.85 ID:jJ6/ECAP0
紺之介(フミは上手くやっているか? そのまま児子炉のことについても聞いてくれれば楽なんだが)
紺之介は刃踏に対して絶大な信頼を置いていた。理由は言わずもがなの唯一無二の完敗にあり。
彼はあの慈愛に呑まれ安らがぬ相手は獣くらいではないかとすら考えていた。
357:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:12:35.36 ID:jJ6/ECAP0
奴「う゛〜」
袖口が下に引かれたので顔合わせてみればそこにあったのは眉を下げしべそかきの奴。彼女の手は内股にあり。
紺之介「あぁ」
358:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:13:10.69 ID:jJ6/ECAP0
乱怒攻流「……何があったか知んないけどさ、いつまでぶすっとしてんのよ」
愛栗子「知らぬな」
愛栗子は乱怒攻流の竹串を持つ手を払いのけると扇子を開いてそっぽを向いた。開かれた扇子は彼女の頬をすら覆いて蓋のようにそこにあり。
359:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:14:07.54 ID:jJ6/ECAP0
乱怒攻流「そこまで露骨に拗ねられると流石に分かるわよ。なんであんたがあんな刀馬鹿のこと気に入ってるのかは未だによくわかんないんだけどだけどさ〜?」
愛栗子そっと扇子を下に傾ける。
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