229:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:48:55.54 ID:f3jC59Mz0
「へぐぅ……!」
愛栗子「! 乱、止まるのじゃ」
230:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:49:32.21 ID:f3jC59Mz0
「ひっ……! な、なんなんだよアイツはよぉ……!」
後に続いて引き腰の男が奴の飛んできた方向を見ながら尻餅をついた。
それでも尚男は手をついて後ずさり、その場に奴と同じ幼刀である少女が二人も現れたというのにまるでそのことに全く気がついていない様子で正面に釘付けにされていた。
231:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:50:23.81 ID:f3jC59Mz0
彼の見る方向にあったのは闇に潜む殺意。
その闇が放つ殺意が男の脳に『一瞬でも目を逸らせば殺されかねない』という情報を焼き付け、視線を正面に固定させているのだ。
男の目の前に迫る『何か』は木々の隙間から割って入る月明かりに照らされ闇から浮かび上がるようにして姿を現した。
232:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:51:07.61 ID:f3jC59Mz0
さらに熊の人形は片腕のみを肥大化させると
「オイ泣いてんなよペド! ま、待ってくれ……」
「……じゃま」
233:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:51:59.97 ID:f3jC59Mz0
この一連の光景を目の当たりにした愛栗子は一人確信に至る。
愛栗子「……紺が手こずっておった相手はどうやらとんでもない輩だったみたいじゃの」
乱怒攻流「愛栗子、あれって……」
234:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:52:54.17 ID:f3jC59Mz0
……………………………
茶居戸の通りにて金属の弾き合う音が交差する。
235:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:53:44.28 ID:f3jC59Mz0
であればここで息を絶やすか逃げ延びるかの二つに一つであるがかの紺之介戦場だけに生ける剣豪ではなし。
美しき鋼見たさに生に執着するもまた剣豪と捉える彼にここで絶える道は無かった。
改めて距離を取り刀を構え、源氏の隙を伺う。
236:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:54:27.34 ID:f3jC59Mz0
源氏「さァな。ただヤツは他の幼刀が憎いだとかでそれらに対する鼻利きが良くてな……俺が情報も無しに幼刀に辿りつけるようになったのはアイツ様々よ」
源氏「児子炉とは利害も一致してるしな。俺も幼刀と戦いたがっているがヤツもヤツで幼刀の破壊を目論んでやがる。利害が一致しすぎてヤツが暴れ過ぎてねェかは心配になるがな……楽しみが減っちまうのは色々と堪える」
紺之介のこめかみに大粒の汗が走る。
237:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:54:55.88 ID:f3jC59Mz0
絶体絶命の境遇。
238:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:56:12.49 ID:f3jC59Mz0
…………………………
奴「ぅ、ぐひゅ……ぅ゛〜」
べそをかく奴の前に漆黒の足音が迫る。それは一歩また一歩とかさねるごとに重みを増し、枯葉や枝木を強く軋ませた。
239:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:56:50.08 ID:f3jC59Mz0
着々と葉を割る足音は立ちはだかる彼女らを前にしてとどめられた。
児子炉「っ……!」
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