231:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 09:50:23.81 ID:f3jC59Mz0
彼の見る方向にあったのは闇に潜む殺意。
その闇が放つ殺意が男の脳に『一瞬でも目を逸らせば殺されかねない』という情報を焼き付け、視線を正面に固定させているのだ。
男の目の前に迫る『何か』は木々の隙間から割って入る月明かりに照らされ闇から浮かび上がるようにして姿を現した。
その者が纏った黒い洋服は夜の闇に病的なほど異様に馴染み、その者が抱きかかえた熊を模した人形は愛らしき表情ながらその全く変わらぬ表情が薄ら寒い気味悪さを感じさせた。
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