128:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:43:59.14 ID:OvpWhSduo
弟(とりあえず駅の階段の下に座ってよ)
弟(おまわりさんに見つかったら…何て言おう…)
弟「」ウトウト
129:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:46:20.86 ID:OvpWhSduo
姉「だからさぁ!何回も言ってんだろ!」
姉「家出だよ!家出!」
姉「帰ってこないんだよ!今何時だと思ってんだよ!!」
130:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:49:13.76 ID:OvpWhSduo
姉「あんたのこと?」
姉「もうどうでもいい。むかつくけどね」
姉「私は弟が心配なだけ」
131:名無しNIPPER[sage]
2019/02/13(水) 19:53:44.74 ID:OvpWhSduo
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132:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:55:06.93 ID:OvpWhSduo
風が吹きつのり、空は一面真っ黒にそまって気味悪く光っている。
目が痛い。砂とほこりで喉と鼻の粘膜がひりひりする。
胸の上に、何か重いものが乗っていた。
133:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:56:47.14 ID:OvpWhSduo
犬の一種であることな間違いなかった。
しかし、根っからの野犬であるのか、飼い主をはなれた迷い犬であるのかは分からない。
泥にまみれ、目は赤く充血し、痴呆めいて伏し目がちであった。
134:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 20:00:45.75 ID:OvpWhSduo
弟は野犬が自分に向かってくるのを見ると、くるりと向きを変えて走った。
ひと掻き、ひと咬みは死を意味している気がしていた。
野犬が背後に迫る足音が聞こえ、やがてその足音がふっと途絶えた時、弟はそれが地を蹴って跳躍したことを知った。
135:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 20:02:46.00 ID:OvpWhSduo
悲鳴と怒号が混ざりあった絶叫が、夜の街中にこだました。
弟は、自分をアスファルトに押し付けているものがふいに離れるのを感じた。
灰色のパーカーとジーンズ姿の姉が、自分のすぐ近くで怪物と揉み合っていた。
136:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:00:46.52 ID:OvpWhSduo
野犬が姉の肩に咬みついた。
強力な顎でむきだしの肌を咬み破り、腱を針金のように引っ張る。
血がほとばしった。
137:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:12:59.97 ID:OvpWhSduo
姉は右手の拳を握りしめ大きく振り回し、野犬の下顎に命中させた。
それはまぐれ当たりに近かった。
深い咬傷のために火がついたように痛んでいる肩まで衝撃が走った。
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