39:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:53:04.44 ID:6bUZbsq+0
「財前時子しゃん! くるみの感想文手伝ってくれたのぉ」
おぉう、聞き間違いじゃあ無かった。しかし、“あの”時子さんが添削をしてあげるだなんて……。
「くるみちゃんは、法子ちゃんと仲が良かったりするのかな?」
40:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:54:09.22 ID:6bUZbsq+0
「それでね、今日はこれを持ってきたの!」
俺が衝撃に意識を持っていかれていると、くるみちゃんは1つの箱を差し出した。
「これはなんだい?」
41:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:55:07.61 ID:6bUZbsq+0
「……あぁん?」
見慣れないプリンを訝しむ時子さん。すかさず説明を入れる。
「くるみちゃんから、感想文の添削のお礼だそうです。彼女の手作りですって」
42:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:55:50.40 ID:6bUZbsq+0
とまぁ実は優しいところもある時子さんに興味を持ちつつも、“カフェの本田くん”は日々業務に勤しんでいるのである。
しかし、そんな日々も永遠には続かない。
そう、大学生には避けて通れない『就活』の問題があるのだ。
俺も段々とそれから目を背けられなくなってくる頃、何故か妹にプロレス技で起こされた。
43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:57:12.82 ID:6bUZbsq+0
「未央ちゃ〜〜ん、ドロォオップゥゥ!!」
「ぐえぇっ!?」
「おはよう本田くん、目覚めの気分はいかがかね?」
44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:58:17.45 ID:6bUZbsq+0
なんだろう突然。未央のプロデューサーさんはたまに顔を見せにはくるが、特に懇意という訳でもない。
「マスターさんには説明済みで時間ずらしてあるって」
「ふーん。で?」
45:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:59:36.17 ID:6bUZbsq+0
「は、はいっ!」
「いやぁ、すまない呼び出しておいて遅れてしまって。局のDと話し込んじゃってね」
「い、いえ!」
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 21:00:33.60 ID:6bUZbsq+0
「そうか……。回りくどいのは無しだ、単刀直入に言おう。本田くん、うちに来る気はないか?」
「……はい?」
うち、とは? まさか2代目マスターになれってことか?
47:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 21:01:43.17 ID:6bUZbsq+0
「君は、Barで日下部さんと話をしたり大沼さんの宿題を手伝ったりしたろう?」
「は、はぁ」
それがなんだって言うんだ。あんなの雑談と押し付けられた手伝いだ。
48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 21:02:45.28 ID:6bUZbsq+0
「それにもう1つ。君は人当たりが良い。これも立派な才能だ」
「そんなもんっすかね?」
「そうだとも。『カフェの本田くん』なんて愛称です呼ばれる事自体も良いことだが、何よりあの時子様とコミュニケーションを取れているのは凄いことなんだぞ?」
49:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 21:03:31.45 ID:6bUZbsq+0
「要は俺が君に可能性を感じたんだ! 俺の元でプロデュースのいろはを学んで未来のトップアイドルを育て上げようっ!!」
プロデューサーさんは目を輝かせて俺の肩を掴んだ。この人、スカウトでもこんなことしてんじゃ無いだろうな……。
「待ってください……。気持ちは有難いですけど、一生の決断になるかもしれない事をすぐには決められませんって」
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