36:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:49:51.82 ID:6bUZbsq+0
「…あのね、くるみ、図書室でプリントに載ってたご本を探したの」
「それでね? 表紙を見たら、銀河鉄道がお空に上っていく絵が描かれてて、とってもキレイだったの」
「ほう! 表紙が綺麗だったんだね。それは興味を惹かれるのも納得だ。それで、『銀河鉄道の夜』はどんなお話なのかな?」
37:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:50:57.99 ID:6bUZbsq+0
「実は今までの会話をこのスマホに録音させて貰ったんだ」
「う、うん……?」
「つまり、この録音を聞きながらくるみちゃんの言葉を文字に起こせば立派な感想文になるって訳さ」
38:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:52:01.36 ID:6bUZbsq+0
「本田くん、君にお客さんだよー!」
「俺に、ですか?」
店内に足を運ぶと、ニコニコ顔のくるみちゃんがいた。
39:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:53:04.44 ID:6bUZbsq+0
「財前時子しゃん! くるみの感想文手伝ってくれたのぉ」
おぉう、聞き間違いじゃあ無かった。しかし、“あの”時子さんが添削をしてあげるだなんて……。
「くるみちゃんは、法子ちゃんと仲が良かったりするのかな?」
40:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:54:09.22 ID:6bUZbsq+0
「それでね、今日はこれを持ってきたの!」
俺が衝撃に意識を持っていかれていると、くるみちゃんは1つの箱を差し出した。
「これはなんだい?」
41:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:55:07.61 ID:6bUZbsq+0
「……あぁん?」
見慣れないプリンを訝しむ時子さん。すかさず説明を入れる。
「くるみちゃんから、感想文の添削のお礼だそうです。彼女の手作りですって」
42:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:55:50.40 ID:6bUZbsq+0
とまぁ実は優しいところもある時子さんに興味を持ちつつも、“カフェの本田くん”は日々業務に勤しんでいるのである。
しかし、そんな日々も永遠には続かない。
そう、大学生には避けて通れない『就活』の問題があるのだ。
俺も段々とそれから目を背けられなくなってくる頃、何故か妹にプロレス技で起こされた。
43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:57:12.82 ID:6bUZbsq+0
「未央ちゃ〜〜ん、ドロォオップゥゥ!!」
「ぐえぇっ!?」
「おはよう本田くん、目覚めの気分はいかがかね?」
44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:58:17.45 ID:6bUZbsq+0
なんだろう突然。未央のプロデューサーさんはたまに顔を見せにはくるが、特に懇意という訳でもない。
「マスターさんには説明済みで時間ずらしてあるって」
「ふーん。で?」
45:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:59:36.17 ID:6bUZbsq+0
「は、はいっ!」
「いやぁ、すまない呼び出しておいて遅れてしまって。局のDと話し込んじゃってね」
「い、いえ!」
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 21:00:33.60 ID:6bUZbsq+0
「そうか……。回りくどいのは無しだ、単刀直入に言おう。本田くん、うちに来る気はないか?」
「……はい?」
うち、とは? まさか2代目マスターになれってことか?
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