59: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:37:43.02 ID:oG3MxUaR0
「……あの男を見つけたらワープする能力が欲しい」
「良いだろう。対価は……そうだね、君の過去の悲哀の感情を頂こうか」
「構わない」
「鮮度が落ちるし、君という人格が壊れない程度にしか吸えないから、無制限の能力にはできない。精々、1回の睡眠につき3回までだ」
60: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:38:09.09 ID:oG3MxUaR0
少し画質の悪いポリゴンで作られているような見た目の窓に手を触れた。
そういえば、彼女は窓が好きで好きで仕方がなくて、いちいちアニメやゲームの窓のキャプチャを撮って保存していたっけな。
61: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:38:44.46 ID:oG3MxUaR0
「絵夢の冒険記」の主な舞台は、いかにも異世界らしい異世界だ。
だが、終盤はこの白い星に移動し、ラスボスと戦う展開となっている。
何かが近づいてくる音がした。それも、大量だ。
62: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:39:12.41 ID:oG3MxUaR0
逃げても、逃げても、逃げても、うじゃうじゃ沸いて追いかけてくる。
建物の中に逃げ込んで、扉を閉めた。だが、俺の足元からもうにゅっと幽霊みたいに生えてきた。
アニメじゃこんな物理法則を無視した現れ方はしてなかったってのに!
63: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:39:46.85 ID:oG3MxUaR0
続
64: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:58:35.13 ID:5y9FZK0b0
【4】
「ここなら安全です」
65: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:59:01.77 ID:5y9FZK0b0
「あなたはこの世界の主を救おうとしている。だから、手助けをしたいんです」
11歳の綺麗な瞳は、いくらか俺の精神を癒してくれた。
66: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:59:29.46 ID:5y9FZK0b0
絵夢が風の魔法を放った。
しかし、フードの男は大してダメージを受ける様子もなく突進してくる。
ガキィン!
67: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:00:02.66 ID:6W5BK61q0
大きな扉を抜け、城の内部へと駆け抜けた。
絵夢達の宿敵――この城の主、クラシストの玉座に光の玉があると夢覚が告げている。
階段をひたすら上った。
エレベーターもあるが、使わなかった。
68: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:00:33.35 ID:6W5BK61q0
絵夢達がクラシストと戦った広い部屋に出た。天井も壁も床も白い。
やはり、玉座の上には星のように光るものが浮いている。
ダッダッダッダッ
69: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:01:29.17 ID:6W5BK61q0
「てめえええ!!!!」
俺は強く剣をイメージした。
そのまま斬りかかるふりをして、ワープで男の背後に回る。
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