29: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:05:02.78 ID:c+BVrGz60
「何か問いたそうな顔だね」
クォ・ヴァディスは今日も微笑んでいる。
18歳くらいの姿だが、少しだけいつもと雰囲気が違っていた。体のラインが曲線的で、胸がある。
30: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:05:35.23 ID:c+BVrGz60
「俺はどうやら大切な人のことを忘れているらしい」
「もう気づいたのかい? 意外と早かったね」
クォ・ヴァディスは、全てを見通していそうな目で俺を見た。
31: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:06:17.66 ID:c+BVrGz60
「俺は一体何をしなきゃいけないんだ?」
「それは、君自身が知っているよ。この状況は、君が望んだものなのだから」
しかし、俺はそのことを覚えていない。
32: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:06:44.90 ID:c+BVrGz60
「なんだよ」
「お見舞い行くぞ」
「お見舞いって、誰のだよ」
33: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:07:18.81 ID:c+BVrGz60
玄関に出る。そこには、女物の靴も置いてあった。
「大丈夫か? 財布はちゃんと鞄に入れたか?」
「大丈夫……じゃないかもしれないけど、財布は忘れてない」
34: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:07:46.66 ID:c+BVrGz60
あれがただの夢ではないと、確信があった。
しかし、深く考えようにも、今俺がいるのは現実世界だ。
夢の印象が薄れて、細かいところまでは思い出せない。
35: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:08:14.12 ID:c+BVrGz60
病院のにおいは全国共通だと思うのだが、海外の病院はどうなんだろう。
聞いたところによると、消毒液のにおいが充満しているのは日本の病院独特のものらしいが、それが事実かどうか確認する機会が訪れる予定は俺にはない。
俺は誰かと海外旅行に行く約束をしていたような気がする。
36: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:08:40.70 ID:c+BVrGz60
白い病棟。四角い窓。延々と続いていそうな廊下。
「ほら、ここだ」
37: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 21:09:11.04 ID:c+BVrGz60
続
38: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:13:07.39 ID:oG3MxUaR0
【3】
「大丈夫かい?」
174Res/112.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20