10:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:06:16.95 ID:Q33A0XWw0
笑って彼女の後ろに回る。足元には万が一のマットレス。
少しだけ腰を落としたなら「いつでもいいぞ」と声をかける。
――しかし、自分から提案しておいてなんだけれど、
11:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:07:16.40 ID:Q33A0XWw0
――が、そのまま俺はしりもちをついて。
「きゃっ!?」
12:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:07:59.59 ID:Q33A0XWw0
なんて、彼女は謝るように言うのだけど、その体はだんだん俺の胸の上で重さを増していくようだし、
なんならさっきよりも少し、彼女の座っている位置が深くなっているような気だってする。
するとその、密着なんて言葉すら生ぬるい程に近づきすぎた二人の距離は、
13:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:08:51.42 ID:Q33A0XWw0
「こ、琴葉? ……そろそろ落ち着いたんじゃないか」
だからこそ俺は、抑止の意味も込めて彼女に声かけたのだけど。
14:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:09:43.84 ID:Q33A0XWw0
けたたましい電子音に驚き琴葉が素早く飛び退いた。
俺も慌ててポケットをまさぐった。
取り出したスマホの画面に『このみさん』の文字。
15:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:10:31.33 ID:Q33A0XWw0
「また私、プロデューサーにご迷惑を……」
そう言う彼女の顔は暗い。
16:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:11:21.50 ID:Q33A0XWw0
「ただ今日は、もうこれ以上君を残しておけないな。……残念だけど随分遅くなっちゃったもの」
こちらの意図は正しく伝わったのだろう。
「そうですね」と琴葉は頷き、いつものように笑うと自分の格好を見下ろして。
17:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:13:22.09 ID:Q33A0XWw0
「プロデューサー」
すると一瞬、ほんの一瞬だけ、俺のことを呼んだ彼女は困ったように眉をひそめ。
18:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:14:10.92 ID:Q33A0XWw0
もう完全に開き切った扉の陰に、その半身をしゃなり滑り込ませてこう続けたんだ。
「明日も付き合ってもらえますか? ……そんな顔を他の子に見られたら恥ずかしいから、できれば二人きりで、個人練習を」
19:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:19:23.95 ID:Q33A0XWw0
===
以上おしまい。イベントお疲れさまでした。
例のアナザーアピールを見た時から書きたかったネタを
たまには重たい琴葉でこんな形に。
22Res/12.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20