26: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 23:44:22.57 ID:nCh+XXic0
テスト後、大野はスッキリとした顔立ちだった。
やり切ったに違いない。
俺も、うっすら笑いを浮かべていた。
27: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 15:02:55.63 ID:g6GaQPCv0
>>26 抜けてた
試験から四日後、ずらりと並んだ受験番号のであるはずなない番号を目で探す。
落ちた、そう静かに呟いた俺に大野は背を向ける。
28: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 17:56:03.64 ID:g6GaQPCv0
信じられない
なんで?
滑り止めの高校なんてめちゃめちゃ遠いし
29: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 17:56:32.19 ID:g6GaQPCv0
帰ろうぜ、と掠れた声で呟いた大野についていこうとしたら、後ろから不意に名前を呼ばれた。
振り返ると数人の女子がいる。
「あの…ボタン、残ってますか?」
30: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 23:07:46.94 ID:g6GaQPCv0
「あの…第二ボタン、あげる子いますか?」
中央にいた女子にそう恐る恐る見上げられる。
一瞬喉に呼吸が詰まる。
31: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 23:11:38.02 ID:g6GaQPCv0
大野「…モテるんだな」
杉山「お前にだけは言われたくねーよ」
大野「俺にもくれよ」
32: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 23:12:38.69 ID:g6GaQPCv0
杉山「…ほんと大野ってバカだよな」
俺も大野の後を追う。
大野「は?なんだよ。別にいいだろ」
33: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:05:08.87 ID:yVF65aIb0
大野「…。」
無言で大野が地面を蹴った。
砂埃が舞う。
ブランコが揺れ始めた。
34: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:07:02.23 ID:yVF65aIb0
ひゅ、と喉の奥から呼吸が漏れ出す音がした。
大野「学校に高校側から返却される答案、杉山のが白紙だったって、お前も職員室呼び出されたんだろ」
知ってたのか、大野は知っていたのか。
35: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:09:35.14 ID:yVF65aIb0
乗り継ぎ二回、電車に揺られて2時間。
車両は混雑しておらず、座席に座ることが出来ることだけが救いだった。
入学式へ向かう車内。
俺はこれからの三年間を思い、どうせこうなるならあそこに入っていればよかったとげんなりしていた。
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