35: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:09:35.14 ID:yVF65aIb0
乗り継ぎ二回、電車に揺られて2時間。
車両は混雑しておらず、座席に座ることが出来ることだけが救いだった。
入学式へ向かう車内。
俺はこれからの三年間を思い、どうせこうなるならあそこに入っていればよかったとげんなりしていた。
大野「毎朝こんなに早起きしなきゃいけないのキツイな」
杉山「合格したのに入学辞退したのが悪いんだろ」
大野「お前が白紙で出さなきゃよかったんだよ」
杉山「なんで俺に合わせてお前が…」
大野「あ、乗り換えだぜ」
俺の言葉をぶった切るようにやってきた乗り換え駅。
わざと大げさにため息をついて見せた俺も降り過ごすのは嫌だったので勝手に進みだしてしまう大野についていった。
遅延して乗り換え失敗したら最悪だな、とか考えてるうちに電車がやってくる。
これから毎日大野と往復4時間か…
そう考えるとげんなりしてきた。
大野「これから毎日一緒に往復四時間か」
げ。
同じこと考えてた。
杉山「で、でもさあお前に彼女でもできたら一緒に帰らない日もあるんじゃねぇの?」
大野「…かもな」
杉山「かもな!?」
思わずでかい声で聞き返した。
大野「は?なに驚いてんだよ。まだわかんねーのにかも以上のこと言えるかよ」
違う、俺はかもに驚いていたわけじゃなかった。
杉山「…お前、彼女作るかもしれないの?」
大野「文句あっかよ」
杉山「別に…」
その時から二年前だったか、俺は大野に彼女なんて興味ないと殴られていたのでどうせこの時もいらないとでも返ってくると思っていたのだ。
だからその反応が予想外だっただけで。
別に、杉山杉山言ってた大野がそうじゃなくなる日が来るかもしれないことに、何か思ったなどでは絶対ないのだ。
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