34: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:07:02.23 ID:yVF65aIb0
ひゅ、と喉の奥から呼吸が漏れ出す音がした。
大野「学校に高校側から返却される答案、杉山のが白紙だったって、お前も職員室呼び出されたんだろ」
知ってたのか、大野は知っていたのか。
ギコギコ大野はブランコを揺らし続ける。
俺は気が付くと無意識のうちに両足で地面をとらえて揺らし始めたばかりのブランコを止めていた。
曇り空が広く続いている。
今にも雨が降り出しそうだとぼんやり思った。
知ってて、大野は今まで俺に何も言ってこなかったのか?
杉山「俺、お前の考えてることがわかんねぇよ…」
大野「…普通に考えてそれは俺のセリフだろ」
分からなかった、何を考えてるかなんて。
なんで大野はこんなにも平然としていられるのだろうか。
なんで何も聞いてこなかったのだろうか。
なんで何も聞いてこないのだろうか。
何考えてんだよ、と言った割に大野のつぶやきは独り言に近かった。
昔は、お互いの考えてることなんて手に取るようにわかったのに。
杉山「…変わったんだろうな、俺もお前も」
ぽつんと頬に雨粒が当たった。
大野「…変わってねーよ、なんも」
俺には大野が、認めたくないだけの子供に見えた。
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