10: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:26:37.35 ID:2zAdGycV0
青年(階段を上りきった先には、えも言えぬ美しさの池が存在していた)
青年(その透き通るような青緑色の中央に、満月がとぷりと浮かんでいる)
青年(その池のすぐ側には古ぼけた祠があり)
11: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:29:16.92 ID:2zAdGycV0
猩々「とにかくアレやな、痣見せてみい」
青年「は、はい」スッ
猩々「ほいっと」ペタ
12: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:32:54.84 ID:2zAdGycV0
猩々「ええやろ、この場所」
青年「……はい。空気が澄みきっていて……山の一部になったみたいです」
青年(不思議な空気が漂っている)
13: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:34:46.19 ID:2zAdGycV0
猩々「昔はな、人間も神も此処で一緒に暮らしててん」
猩々「でも、段々わしらから離れていった」
猩々「その時、人間が神の逆鱗に触れる何かをしたらしくてなあ」
14: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:37:58.81 ID:2zAdGycV0
青年(それから、僕と猩々はお互いの事を話し合った)
青年(まるで知己の仲のように、僕らは笑いあったんだ)
猩々「……せっかくの縁や。わしの力を分けたるわ」
15: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:41:34.90 ID:2zAdGycV0
猩々「神は、たまに黒い悪神になってまう事がある」
猩々「もし……わしが黒に堕ちたらな、アンタにわしを殺してほしいんや」
猩々「この土地の奴になら殺されてもええ」
16: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:51:55.50 ID:2zAdGycV0
「覚えとるか、わしは昔アンタに会った事があるんや」
「わしが神を継ぐ前の話や」
「あの時わしは小猿でな、一緒に夕暮れまで遊んだんやで」
17: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:55:24.57 ID:2zAdGycV0
青年「……!」ハッ
青年(朝になっている!? 猩々は!? 何故山の入り口に!?)
青年「……あっ!」
18: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 21:04:21.84 ID:2zAdGycV0
青年(あれから、僕は祖父の家に帰った)
青年(祖父は涙を流して、僕の生還を喜んでくれた)
青年(……あの夜の事は話していない。多分詳しく話すべきじゃないんだと思う)
19: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 21:05:46.92 ID:2zAdGycV0
終わりです。ありがとうございました。
20:名無しNIPPER[sage]
2018/07/24(火) 21:31:32.83 ID:zaD+aTZ9o
スレタイで貴方だと思いました
たまには長いのも読みたい
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