10: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:26:37.35 ID:2zAdGycV0
青年(階段を上りきった先には、えも言えぬ美しさの池が存在していた)
青年(その透き通るような青緑色の中央に、満月がとぷりと浮かんでいる)
青年(その池のすぐ側には古ぼけた祠があり)
青年(苔むした屋根の上に、それは座っていた)
猩々「……」
青年(どっしりとした体躯、見た目は猿と言うよりはオランウータン)
青年(そして、何よりも特徴的なのが……夜でもはっきりと分かる、逆立つ深紅の毛並)
青年(両目はそれよりもさらに深い色の光を放っている)
青年「……っ」
青年(何て威圧感だ……身体が動かない)
猩々「お迎えご苦労さん。下がってええ」
猿「……」バッ
青年(声は思いのほか親しみやすい。もっと低い声を想像していた)
猩々「まぁ兄弟、そんな固くならんでええ。何も取って喰ったりせん」
青年「……!」ピク
青年(身体の強張りが消えた!? 何だこの安心感は……)
猩々「せっかく知りおうたんや、少し話そうぜ」
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