青年「蛍月夜の猩々参り」
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11: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:29:16.92 ID:2zAdGycV0
猩々「とにかくアレやな、痣見せてみい」

青年「は、はい」スッ

猩々「ほいっと」ペタ

青年(猩々が僕の胸に手を当てた)

青年(次の瞬間、かっと胸の表面に熱が走り、すっと消えていった)

青年「……あ、痣が無い!?」

猩々「こんな山ン中ご苦労さんやで」

青年「……あ、あの、酒を……」

猩々「ん? ああ、頂こうか」

猩々「ほう、瓢箪に入れてるとはええね。瓢箪はええで」ゴクゴク

猩々「あー……ええ酒や。作った人間の色がよぉ出とる」

青年「あの、僕は青年と言います。貴方は一体……」

猩々「わしは猩々や。この山の神や」

猩々「まあ、アンタも一杯どうや?」

青年(そうして猩々は、腰に着けていた白い瓢箪を僕に渡した)

青年(……何だろう、不思議な良い匂いがする……今まで嗅いだ事の無い香りだ)クン

青年「……うわあ、美味しい」

猩々「せやろ? この山のええもんがぎっしり濃縮されとる」

青年(この神は……本当に悪い神なのだろうか)


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