青年「蛍月夜の猩々参り」
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14: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/23(月) 20:37:58.81 ID:2zAdGycV0
青年(それから、僕と猩々はお互いの事を話し合った)

青年(まるで知己の仲のように、僕らは笑いあったんだ)

猩々「……せっかくの縁や。わしの力を分けたるわ」

青年「? 力を分ける?」

青年(猩々はそう言うと、杯を取り出し、自分の酒を注いだ)

猩々「ほれ、そっちの酒も注がんかい」

青年「? うん」

猩々「いつつ……ほら、これを飲むんや」

青年(猩々は爪で自分の指を少し切ると、自らの血を杯に落とした)

青年「……」

猩々「毒や無い。安心せえ」

青年「……南無三!!」ゴク

猩々「だから死なんて」

青年「うっ……」ドクン

青年(熱っ……何だこれ、脊椎が発熱している……!?)

青年(身体が熱い……熱い……!!)

青年「……ぷはっ、はっ」

青年「!」ゾク

青年(さっきよりも、山の気配が鮮明に感じ取れる)

青年(動物の音、風の音、水の音)

青年(あらゆる情報が僕に入ってくる)

青年(情報が多すぎて……処理が追いつかない!)

猩々「その力は、いつかアンタを守ってくれるやろ」

青年(何だか、自分がとても大きくなったような感覚だ)


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