230: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:15:20.38 ID:LvNYVq+e0
事前に代表からは部屋番号を伝えられている。
エレベーターで階を上がり、目的の部屋の扉をノックすると、中から「あぁ、いま開けますね」と声があった。
代表に扉を開けられ、中に入ると、代表の他には二人の女性の姿があった。
年の頃はどちらも二十代中盤か。顔に見覚えはないかと思う。
231: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:17:33.17 ID:LvNYVq+e0
「戸庭です」「アンチョビだ! よろしくな!」
俺たちが挨拶すると、眼鏡の女性が立ち上がり口を開いた。
「どうもっ。わたし柿葉といいます」
232: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:20:40.62 ID:LvNYVq+e0
代表は「後は4人で」と部屋を出て行った。
ミカと柿葉さんを正面に、俺とアンチョビが並んで座る。
訊きたいことはいくらでもある。
233: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:22:41.11 ID:LvNYVq+e0
「年もわたしと同じくらいだし最初はミカだって気付かなかったんですけど……話をしてるうちに段々と」
「とはいっても、信じるまで1週間くらいかかりました」
「ミカ、はぐらかすばっかりで全然話をしてくれなくて」
「そういうところもミカっぽいなとは思ったんですけど」
234: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:25:17.18 ID:LvNYVq+e0
「あ、でも、今日ここに来れたのはミカのおかげでもあるんです。いつの間にかミカが、あの、代表さんと話をつけてて」
ぽろろろーん。
多少、年は取っても、ミカはミカ。中身に変わりはないらしい。
235: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:25:58.25 ID:LvNYVq+e0
「あの、それで一番訊きたかったことなんですけど」
柿葉さんは、こちらを真っ直ぐ捉え、言葉を吐き出した。
「アンチョビさんが元の世界へ帰る方法、わかりましたか?」
236: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:28:05.16 ID:LvNYVq+e0
ふいに、ミカがすっと立ち上がる。
「ど、どうしたのミカ?」
ミカはカンテラを手に部屋の扉の方へ歩いていくと、
237: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:30:09.53 ID:LvNYVq+e0
2018年3月18日。日曜日。
早朝に目を覚ました俺は、もう起きてるかな、と遠慮がちにアンチョビの部屋の扉をノックした。
中から現れたアンチョビは「遅いぞ戸庭っ!」と叫び、すでに身支度を整えていた。
238: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:32:13.03 ID:LvNYVq+e0
アンチョビの登壇は11時半過ぎからだった。キャストトークショーの直前だ。
それまでは屋台の辺りで飲んで食ってしているつもりだったのだが、アンチョビに寄ってくるファンの数が膨大になり収拾がつかなくなったため、一旦、テントの中へ避難することとなった。
代表は「そりゃそうですよ」と笑い、アンチョビに深めの帽子とサングラスを用意してくれた。
239: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 22:33:53.47 ID:LvNYVq+e0
やがて出演のためにアンチョビがテントを出て行く。
俺も外で見物しようとテントを出た。
人混みから外れて、よく見える場所はないかなとぶらついていると、ミカと柿葉さんを見つける。
そして横には、何故か監督が立っていた。
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