160: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:15:01.63 ID:/cdPx5HI0
2017年12月17日。日曜日。
アンチョビの持ってきてくれたノートPCで動画の編集をしていると、花澤と長田がやってきた。
「転職案件やね」「これに懲りて無茶はやめよう」
161: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:17:25.40 ID:/cdPx5HI0
2017年12月21日。木曜日。
ようやくの退院である。
最後の診察で医者には「次また過労で入院したら治療費倍額請求するぞ」と言われた。
162: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:18:36.71 ID:/cdPx5HI0
うどんを平らげ、食後のお冷やを飲んでいると、アンチョビが「そういえば」と思い出したように口にする。
「今日の分の動画はもう撮ってあるからな。編集頼むぞ。私、午後はいないからな」
「どこか行くの?」
163: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:20:00.07 ID:/cdPx5HI0
「ええ、どこの店?」
「食べに来るか? 隣駅のイタリア料理店だ!」
――まったく、すごい行動力だなあ。
164: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:23:06.52 ID:/cdPx5HI0
2017年12月22日。金曜日。
監督と約束した場所は、荻窪の小さな食事処だった。
時間は夕食時の午後19時。
それまで俺とアンチョビは、延々と家でガルパンを1話からぶっ通しで観賞した。
165: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:24:35.56 ID:/cdPx5HI0
おばちゃんに、店内の左手に位置する階段を案内され、「ありがとうございます」とアンチョビと二人でそれを上がる。
正面のふすまをノックして中へ入ると、40代くらいの男女が下座に座って談笑をしていた。
両方の顔に見覚えがある。
女性の方は脚本、そして男性の方がガルパンの監督だ。
166: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:25:56.94 ID:/cdPx5HI0
監督はアンチョビの顔を眺め、興味深げに、
「あぁ実際に観ると動画よりもホンモノ感が増しますね。当たり前なんですけど」
「失礼ですよ」
167: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:27:30.48 ID:/cdPx5HI0
「嬉しいですね。ありがとうございます。何飲みます?」
監督からアルコールのメニューを差し出される。
ちらりとアンチョビへ目線を送ると、彼女は口角を上げた。
168: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:29:17.02 ID:/cdPx5HI0
「事情は聞いています。我々に訊きたいことがあると」
「私個人としても強い興味があったので、お願いして今日の場を設けてもらった形になります」
「じゃあ、まずはアンチョビさんの置かれている状況を詳しく教えていただけますか」
「あぁいえ、一部聞いてはいるんですが、なにぶん伝聞なので、実際に耳にしないとわからない部分もありますから」
169: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/18(水) 22:30:56.38 ID:/cdPx5HI0
「ガルパンのアニメの大筋は、基本的にはこの二人の頭の中から出てきています」
「ちなみにアンチョビというキャラクターに関しても、最初のアイデアは私ですが、肉付けをしていったのは――」
「私ですね」
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