【モバマス】クラリス「魔女・セイラム」
1- 20
26:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:03:11.67 ID:TXxgAIfuO
「本当はね」

 思索に沈みかかった私を、セイラムの申し訳なさそうな声が呼び戻します。

「貴女が十八になったら……正規に誓願を立てて、正式にシスターになる段が来たら。そこでちゃんと話すつもりだったんだ。どうしたって愉快な話じゃないから。こう言っちゃうと気を悪くするかもしれないけど、貴女はまだ、やっぱり子供だったから」
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:04:04.41 ID:TXxgAIfuO
「えっ。ちょ、ちょっと?」

 慌てた声が聞こえて、私も慌てて目尻をぬぐいました。

「すみませんっ」
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:04:47.97 ID:TXxgAIfuO
 なお慮るように顔を覗き込むセイラムに、私は努めて笑みを向けました。

「あの日。去年の聖誕祭に。言ったでしょう」
「……聖誕祭?」
「この居場所を一緒に守ろうと、貴女が。私は、はいとこたえたじゃないですか」
以下略 AAS



29:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:05:56.71 ID:TXxgAIfuO
 私が神父様に意思を伝えると、彼はきわめてかしこまったふうに、「あらためてよろしくお願いするよ」とおっしゃいました。ほかのシスターたちも、私の選択を喜んでくれました。

 心新たに、人心のためにさらに努めよう。私はそのように考えるようになりました。

 ――とはいったものの、私の生活が劇的に変わることはありませんでした。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:06:31.20 ID:TXxgAIfuO
 私も倣わなくてはと、そう考えました。

 しかし、私が昼の休憩に求人のフリーペーパーをめくっていると、セイラムが有無を言ういとまもなくそれを取り上げたのです。

「貴女が働きに出る必要はないからね?」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:07:10.35 ID:TXxgAIfuO
 私の顔を見て、セイラムの眉尻が下がります。

「こんな言い分を聞き容れてくれて、ありがとうね」
「……ずるいですわ」

以下略 AAS



32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:07:41.19 ID:TXxgAIfuO
 できることは限られました。ならば、限られた中で力を尽くすしかありません。私は、食事や清掃の当番を含め、教会の活動における役割を可能な範囲で最大限に請け負いました。

 雇用に身を置くことはできないにしても、できることには励もう。直接の貢献はできずとも、間接的に支えることはできました。こういった分担までもを、あるいはセイラムたちは考えていたのかもしれません。

 共同生活において、私はセイラムと同室でした。
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:08:14.10 ID:TXxgAIfuO
「それにしても、眠いなあ……ね、今日の合わせ、CD使ってくれない?」

 これは、聖歌隊との練習が午後にあった日のことです。冗談めかして言う彼女に、同じような調子でこたえました。

「心苦しいのですが、ダメです」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:08:56.69 ID:TXxgAIfuO
 ――その時間が、このあとにやってくる、嵐の前の平穏であったことを知らずに。


35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:09:35.13 ID:TXxgAIfuO
###

 教会近くのバラ園で、昨日に最後の一輪が落ちたと聞きました。夏の初めのことでした。


以下略 AAS



36:名無しNIPPER
2018/07/14(土) 18:09:46.64 ID:I5bAL3/9O
アフィに乗りそうなスレがあったら↓をコピペするといい
赤レスがたくさんあると編集の時などにかなり厄介になるぞ!
名前欄や本文に「クリックお願いします」などの文は↓ほど効果はないぞ!
でもやっておいて損はないぞ!

以下略 AAS



73Res/52.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice