【艦これ】一九四八年:あるいは爆雷でいっぱいの海
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26:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:27:06.46 ID:leW1YX1c0
彼女は「その時」を待っていた。
祖国の盾として戦える日を。華々しく前線で活躍できる日を。
次の戦いではきっと。次こそは。その次こそは。
27:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:27:34.33 ID:leW1YX1c0
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28:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:28:24.72 ID:leW1YX1c0
チャーター
専属機でウラジオストクに降り立った響を出迎えたのは、巨大な石造りの壁だった。
「なんだ、『石棺』がそんなに珍しいか?」
29:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:29:09.05 ID:leW1YX1c0
「火の粉が自分に降りかからんよう払っている間なら穏やかでいられるだろうな。私の国はもう滅びたも同然だ」
「同然なだけだ、滅びてはない」
「同じだろう」
30:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:30:07.60 ID:leW1YX1c0
エクス・マキナ
「大きいことを抜かすのは勝手だがな――ちっこいの、何をどうやって救うつもりだ? 天から神様が下りてきて何もかも解決してくださるのを待つつもりか?」
「待たない。その前に、人類が治療法を見つける方に賭ける」
31:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:30:44.72 ID:leW1YX1c0
「……なるほど、貴様の覚悟はよく分かった。だがな、石棺の中の人間はどうなる? 貴様がここで奮闘するほど、彼らの希望は潰えていくぞ?」
響はガングートの問いに真正面から答える。
「それも含めての賭けだ。治療法が見つかれば、こんな壁はなくて済む」
32:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:31:21.22 ID:leW1YX1c0
しばらく黙り込んでいたガングートだったが、やがて笑いながら言った。
「いや、確かに、そんなものはもうすっかりなくなったものと思っていたが……そうか、それがここにいる意味というわけか! ちっこいの、貴様なかなか器の大きい奴だな!」
「自分が必要だと思うことをやるだけだよ――それと、私の名前は響だ」
33:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:31:47.48 ID:leW1YX1c0
"Or All the Seas with Depth Charges."
34:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:32:25.56 ID:leW1YX1c0
国家が変わり、名前が変わり、ようやく彼女は活躍の場を得た。
ファイアサポート
陸上部隊への絶え間ない支援砲撃。
爆撃を受けようと、修理を行いながら砲火は途絶えさせなかった。
35:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:33:02.17 ID:leW1YX1c0
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