6: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:05:58.41 ID:Wze3yOnD0
「ときにそなたー。わたくしの装いはいかがでしてー?」
「ん?」
7: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:07:11.06 ID:Wze3yOnD0
「じゃ、行こうか」
「はいなー」
8: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:09:11.92 ID:Wze3yOnD0
「最近なんかいいのあったか?」
「これなどは、形も大層よくー」
「どれどれ……うわ丸っ! ほぼ真球じゃんこれ! すげえ!」
9: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:10:26.07 ID:Wze3yOnD0
それにしても本当に日が長くなった。
午後六時でも当たり前に明るく、空に広がるうろこ雲を夕陽が赤く染めていた。
10: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:11:21.97 ID:Wze3yOnD0
神楽坂の途中から脇道に入り、連なる赤提灯を通り抜けると怪しげなミニシアターがある。
上映予定のポスターは貼られていない。もぎりの婆ちゃんに声をかけると通してくれて、
劇場を回り込む通路の先に非常口があり、緑の誘導灯の横には天狗のお面が飾られていた。
11: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:12:19.36 ID:Wze3yOnD0
果ては見えない。巨大な鳥居が等間隔に立ち、ゆるやかな傾斜の参道を区切っている。
雲は無く、東の茜色の空に白い月がぽっかり浮かんでいた。
12: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:13:19.13 ID:Wze3yOnD0
「はふっ、はむふぅ。ほふー」
アツアツのイカ焼きを二人して齧る。
13: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:13:57.00 ID:Wze3yOnD0
「ふー、ふー。ずぞぞー」
「うまいか?」
「おいひいのでひてー」
14: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:15:12.62 ID:Wze3yOnD0
「育ちざかりゆえにー」
「そっかー」
「わたくしとて、まだ大きくなりましょー」
15: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:17:02.14 ID:Wze3yOnD0
振り返ると、ひまわり色のアシメショートの女性が人懐っこい笑みを浮かべていた。
彼女が広げるピクニックシートには、色とりどりの花々。
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