9: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:10:26.07 ID:Wze3yOnD0
それにしても本当に日が長くなった。
午後六時でも当たり前に明るく、空に広がるうろこ雲を夕陽が赤く染めていた。
「それで、どこ行く?」
「ふむー」
歩道にはたと立ち止まり、彼女は空を見る。
「今宵は、なにやら催し物があるようでしてー」
と。
兆候に気付いた。
街路樹の葉が風とは逆向きにそよそよ揺れる。カラスが会話するように鳴き合う。
海でもないのに波音がして、特売チラシが風に乗り、かぎ尻尾の黒猫がにゃーと鳴いた。
あ、そうなのか。
「今日、夜市か」
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