15: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:17:02.14 ID:Wze3yOnD0
振り返ると、ひまわり色のアシメショートの女性が人懐っこい笑みを浮かべていた。
彼女が広げるピクニックシートには、色とりどりの花々。
手作りの値札やフラワーリースが周囲を彩って、だけど一番輝かしいのは店主の笑顔そのものだ。
「ああ、花屋さん久しぶり。イェーイ」
「いぇーいっ♪」
ぱちんとハイタッチなどしてみる。
「また何か探し物? カナリヤさんは一緒じゃないの?」
「ああ、かえ……カナリヤさんのこととは別件。ちょっと寄っただけなんだ」
そういえばあの人、ここじゃそう呼ばれてたな。
夜市では、店側も客側もみんなあだ名を使うしきたりがある。
表社会の立場や仕事は置いといて、誰もが平等に楽しめるようにとの計らいらしい。
だから花屋さんは花屋さんであって、ここではそれ以上でも以下でもない。
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