【たぬき】依田芳乃「そなたと、長い夢」
1- 20
15: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:17:02.14 ID:Wze3yOnD0


 振り返ると、ひまわり色のアシメショートの女性が人懐っこい笑みを浮かべていた。

 彼女が広げるピクニックシートには、色とりどりの花々。
 手作りの値札やフラワーリースが周囲を彩って、だけど一番輝かしいのは店主の笑顔そのものだ。


「ああ、花屋さん久しぶり。イェーイ」
「いぇーいっ♪」

 ぱちんとハイタッチなどしてみる。

「また何か探し物? カナリヤさんは一緒じゃないの?」
「ああ、かえ……カナリヤさんのこととは別件。ちょっと寄っただけなんだ」

 そういえばあの人、ここじゃそう呼ばれてたな。

 夜市では、店側も客側もみんなあだ名を使うしきたりがある。
 表社会の立場や仕事は置いといて、誰もが平等に楽しめるようにとの計らいらしい。

 だから花屋さんは花屋さんであって、ここではそれ以上でも以下でもない。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
71Res/43.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice