2:名無しNIPPER[sage]
2018/06/12(火) 02:24:17.53 ID:hJfM0d0eO
二人をちゃん呼びってことは雪h(マッコマッコリーン)
3:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:26:25.86 ID:420CtvZa0
それは、とある夕暮れ時の事務所で起こった出来事でした。
「──ちょっといいかしら」
「……何かしら?水瀬さん」
4:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:28:28.83 ID:420CtvZa0
この頃は確か……765プロが一丸となって挑んだ『765プロ2ndライブ』が大成功に終わってちょっと経ったくらい、だったでしょうか。
みんなの人気が再び爆発的に高まったのと比例して、お仕事の量も一気にググーンと増えました。このまま順調にゆけば、全員がAランクアイドルになるのも夢じゃない……そんな所にまで来ていたんです。
皆の頑張りが認められ、沢山のお仕事をいただけて、それぞれが自分の夢に向かって走り続けていられる。
5:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:31:07.82 ID:420CtvZa0
この日も、溜まりに溜まった領収書を整理している私を除けば、事務所にいたのは千早ちゃん一人だけ。ぽつねんとソファーに腰掛け、何やら熱心に読み込んでいました。
ちょ〜っと気になったので、後でコーヒーを持っていきがてら聞いてみると、どうやら次の新曲の譜面だそうで。午前の打ち合わせ中に貰ったばかりで、家に帰るまで我慢できなかったみたいなんです。
それにしたって仕事とレッスンの間にポッカリと空いた時間を、休憩じゃなくて譜読みに使っちゃう所が、何とも千早ちゃんらしいわ♪ ──って、ほっこりしてたのはナイショにしておいてくださいね?
6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:32:03.36 ID:420CtvZa0
あら、今日は確か来客の予定はなかったはずだから、宅配便?それとも……ウチの娘の誰かが戻ってきたのかしら?と、自問する間に、覚えのある声が聞こえてきました。
「戻ったわよー」
7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:35:36.80 ID:420CtvZa0
伊織 「あら、小鳥。出迎えなんていい心掛けじゃない♪」
にひひ♪とこちらへ笑いかけていたのは、やっぱり伊織ちゃんでした。うんうん、あんな可愛らしい声を、私が聞き違えるなんてあり得ないもの♪
小鳥 「おかえり、伊織ちゃん。随分早く終わったのね」
8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:39:27.78 ID:420CtvZa0
さぁて、ここからもう一頑張りといきますか!ぐいーっと背筋を伸ばしながら、領収書の山が待つ机へと体を戻しましょう。
伊織 「あら、千早もいたのね」
千早 「おかえりなさい、水瀬さん」
9:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:40:58.87 ID:420CtvZa0
そこからしばらく、二人の間ではゆっくりとした時間が流れていたことでしょう。
ペラペラと雑誌か何かを捲る音、時折交わされる一言二言の短いやり取り、ちょっと恥ずかしそうな、小さな笑い声──きっと街外れの隠れ家めいた喫茶店が似合うに違いありません。今度のグラビア案に、って律子さんに提案してみようかしら……。
10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:41:43.72 ID:420CtvZa0
ところが、その時間は唐突に終わりを告げたのです。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:43:32.65 ID:420CtvZa0
“それ”が起きたのは、領収書の山がようやく三分の一くらいは減ったかなぁという頃合いでした。
伊織 「──ちょっといいかしら」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:44:29.69 ID:420CtvZa0
それでなくたって、普段は見れない二人の、とーっっっても貴重な絡みなんです。それを放っておいて仕事に戻るなんて、そんなもったいない事できますか!?いいえ、私にはできません!
それに、もしもですよ?もしも万が一にも気まずくなったりしちゃったら、間に入って何とかするのが、お姉さんである私の義務でしょう!?えぇ、義務でしょうとも!
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