180: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:32:18.77 ID:KfriHW7I0
〜〜〜〜〜〜
「うんうん、そうだな。俺も、君の中身のほうを楽しみたいものだ」
181: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:32:46.08 ID:KfriHW7I0
〜〜〜〜〜〜
「それを言うなら、遊び人さんは。地獄のサルの尻のように顔が赤い」
182: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:33:13.85 ID:KfriHW7I0
かつての、自身の発言が走馬灯のように駆け巡っていく。
その光は、俺の全身を青白く照らした後、反転急上昇、今度は真っ赤に染め上げていく。
183: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:33:42.29 ID:KfriHW7I0
俺は、マスターの意図を探る。
いくら俺たちがマンハッタンを二人して飲んでいるからと言って、その由来を意味深に語る意味はなんだ。
そんなのは考えるまでもない、これはマスターからの餞。すなわち、俺たちが抱えている帰還できないという問題のヒントになっているのだ。
184: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:34:09.86 ID:KfriHW7I0
……マスターの言うとおりだ。
いったい俺はいつから、こんなにも弱くなってしまったのだろう。
例え初めての経験だろうと、その勇気をもって臨むのが勇者ではなかったか。
185: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:34:37.78 ID:KfriHW7I0
――――――
光が収まり、バーは再び間接照明の落ち着いた色に染まる。
静けさを取り戻した店内には、老いた店の主人の姿しかなかった。
186: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:35:04.82 ID:KfriHW7I0
――――――
朝日が、カーテンの隙間から部屋に差し込んでくる。
大きなあくびを一つ上げ、ググっと伸びをする。
187:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:36:58.11 ID:KfriHW7I0
――――――
3杯目 カクタル思い
188:名無しNIPPER
2019/05/03(金) 19:59:00.72 ID:Ux4VZ+H6o
おつおつ
こっちが恥ずかしくなったわ!
これは読み直して二度面白い奴だな
189:名無しNIPPER[sage]
2019/05/04(土) 00:44:28.41 ID:6qKfvimDO
乙
勇気が有るって良いな…
190:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/07(火) 20:44:09.52 ID:WrTit5G+0
春の陽気のせいか、身にまとったクロークの下は汗でびっしょりだった。
だが、これを脱いでしまうと、時折吹く冷たい風に誘われて身体が震えてしまう。これがいっそのこと、ひたすら暑ければ諦めもつくし、寒ければ身にまとう服の枚数を増やせばいいさ。だが、春は中途半端に過ぎる。だからこそ、俺は春が嫌いなのだ。
この半年間、俺は酒を飲んでは飛び、酒を飲んでは飛びと、千鳥足テレポートを繰り返した。
以前の失敗から、千鳥足テレポートの要領は得ていた。ただ酒に酔うのではダメなのだ。陽気な気分で足を右へ左へ自由気ままに進め、まるでステップを踏むかのようにリズミカルに、それでもなお前のめりに。そういう心持ちでなくては千鳥足テレポートは成功しない。
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