遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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182: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:33:13.85 ID:KfriHW7I0

かつての、自身の発言が走馬灯のように駆け巡っていく。
その光は、俺の全身を青白く照らした後、反転急上昇、今度は真っ赤に染め上げていく。


今度は、遊び人に変わって俺が机に突っ伏す番だった。
今ならわかる。彼女が、そうしたのはそういうことだったのだ。
俺は恥ずかしさのあまりに、顔をあげることができなくなってしまっていた。


隣では、彼女が「うえっへっへっへ」とそこいらの酒場に溢れる下品な親父みたいな、汚らしい笑い声を漏らしていた。


「おや、問題は片付いたようですね」


マスターが小人の扉を潜り、店の中へと戻ってくる。
氷を買いに行くと言っていたはずが、その手には何も握られていなかった。


「残念ながら、問題は解決していない。以前、彼女はこの店に捕らえられたままだ」


腕の隙間から、なんとか声を出す。


「いえいえ、もう邪魔な壁は取り払われているとお見受けします。全く憎らしいことに」


憎らしい?


「しかし、老いぼれが若い二人の邪魔をするのも無粋ですし、私からの餞です」

「いま、お二人が飲んでいる『マンハッタン』の由来をお教えしましょう」

「『マンハッタン』とは異世界のある都市の名前で、このお酒はその都市に沈みゆく夕日をイメージして作られたと言われています」


唐突なマスターの語りに、俺は埋もれた頭をもちあげていた。


「夕日が沈む前に人々は帰路につくべきなのです」

「まあ、お二人ぐらいならマダマダ宵の口と肩を並べて千鳥足で街を闊歩したいかもしれませんがね」


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