8:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 14:55:06.04 ID:A6rjc17z0
「あながち眉唾物じゃないのかもなぁ」
自分のデスクでコーヒーを啜りながら、プロデューサーさんは一人納得するように呟きました。
応接スペースでは、事務員さんが白菊さんと、契約に関する書類の確認を進めています。
9:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 14:57:26.95 ID:A6rjc17z0
「……え?」
任せる? ――何を?
10:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:01:13.30 ID:A6rjc17z0
――――。
小さい頃から、聞き分けの良い子だと、言われて育ちました。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:04:52.36 ID:A6rjc17z0
「いえ、あの……現地集合で大丈夫です。道は、調べれば分かりますから……」
「そ、そうですか……?」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:07:34.28 ID:A6rjc17z0
「あっ、お疲れ様です美優さんっ! もう足の具合は良いんですか?」
元気で溌剌とした、いつものトレーナーさんが、スタジオに入るなり声を掛けてくださいました。
「あ、いえ……今日は、私ではなくて……」
13:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:10:02.70 ID:A6rjc17z0
「はぁ、はぁ……」
「初めてですし、無理しないで大丈夫ですよ。水分補給しましょう、はいっ!」
「す、すみま……はぁ、す、すみません……」
14:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:11:55.48 ID:A6rjc17z0
腰に手を当てて、うーん、と何か思案した後、トレーナーさんはポンッと手を叩きました。
「白菊さん、ちょっと体が硬いかも知れませんね。
お家でもできる柔軟体操、一緒にやってみましょうかっ。いきなりステップばかりだと疲れちゃいますし」
15:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:17:23.45 ID:A6rjc17z0
誰が叫んだのか、一瞬分かりませんでした。
それに意を介する暇もありませんでした。
16:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:19:08.06 ID:A6rjc17z0
帰り道、駅までの道を二人並んで歩きます。
最初、やはり彼女は遠慮していたのですが、私の困ったような顔を見て、従ってくれました。
要らない気を、遣わせてしまったようです。
17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:21:01.68 ID:A6rjc17z0
「させてもらえなかったんです……レッスン」
三人組の若者が、向かいから集団で歩いてきます。
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