11:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:04:52.36 ID:A6rjc17z0
「いえ、あの……現地集合で大丈夫です。道は、調べれば分かりますから……」
「そ、そうですか……?」
電車と徒歩で、スタジオに向かいます。
本当は、プロデューサーさんのように、車で送り迎えをしてあげられたら良かったのですが――。
何分、私はペーパードライバーで、車庫入れも満足にできません。
その事で頭を下げると、逆に彼女は、手を目一杯振りました。
「そ、そんな、大丈夫です! むしろ車じゃない方が安全ですから!」
初めは、私の運転が頼りないから、という意味かと思いましたが――どうやら、違うようです。
駅で待ち合わせて、一緒に行きましょうかと提案しても、彼女は丁重に断りました。
その意味が、到着した先のスタジオで彼女に会い、ようやく分かりました。
「あはは……植木鉢じゃなかっただけ、ラッキー、かなって……」
曰く、“普段よりも”スムーズに行けたおかげで、予定より一時間以上も前に到着していたようです。
服に付いた鳥のフンの跡を指差しながら、彼女は苦笑しました。
自身の不幸から遠ざけようと、彼女は私を、気遣ったのですね。
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