45:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:47:25.22 ID:A6rjc17z0
と、言ったものの――。
今時の13歳は、どのような遊びをするのか、まるで見当がつきません。
とりあえず、近所の都立公園にでも足を運ぼうと思った矢先――。
46:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:51:10.87 ID:A6rjc17z0
ですが、折りたたみ傘は、二人で使うには少し小さくて――。
結局、タクシーを使って、なんとか駅ビルに到着しました。
パッと思いついたのは、ショッピングです。
47:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:57:14.71 ID:A6rjc17z0
エスカレーターでゆっくりと上がって、上階の雑貨屋さんを目指します。
エレベーターは、前に止まってしまった事があって以来、なるべく使わないそうです。
――――。
48:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:58:29.56 ID:A6rjc17z0
「可愛いですよね、ウサギ」
そう言いながら、なんて健気で儚いのだろうと思いました。
彼女は幸せを願っている――つまり、自身の不幸な現状を、憂いているのです。
49:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:03:29.30 ID:A6rjc17z0
「あ、そういえば」
手にとってしばらく眺めた後、何かを思い出したように、嬉しそうな顔を私に向けました。
「知っていますか? テントウムシって、一番てっぺんまで登ってから飛ぶんです」
50:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:05:09.40 ID:A6rjc17z0
「白菊さんなら、きっとなれると思います」
ちゃんと上まで、登っていける――いえ、彼女には、登っていってほしいと思います。
「ありがとうございます。それと、あの……今さらですが」
51:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:07:18.76 ID:A6rjc17z0
呼んでみると、彼女の顔が、パァッと明るくなりました。
「は、はいっ」
「ほたるちゃん、で良いですか?」
「はいっ! あ、あの……私も、美優さんって、呼んでいいですか?」
52:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:11:03.59 ID:A6rjc17z0
ほたるちゃんにせがまれて、今度は私の用で、アロマのお店に行きました。
と言っても、実は、そこまで入り用があった訳では無いのですが――。
せっかくですし、何か買おうかしら。
53:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:15:02.50 ID:A6rjc17z0
「それじゃあ、私にも合うかも知れません」
そう言って、ほたるちゃんは、スティック状のアロマグッズを手に取りました。
「私なんて、上手く行かない事ばかりですから」
54:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:17:07.41 ID:A6rjc17z0
「す、すみません……」
「謝ることでは、ないですよ」
笑いかけながら、彼女のアロマを手渡すと、ほたるちゃんはなおも恐縮そうに身を縮めました。
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