49:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:03:29.30 ID:A6rjc17z0
「あ、そういえば」
手にとってしばらく眺めた後、何かを思い出したように、嬉しそうな顔を私に向けました。
「知っていますか? テントウムシって、一番てっぺんまで登ってから飛ぶんです」
あ、それ――。
「知っています。だから、手をこう、階段のようにかわりばんこに……」
――おそといくの!
「……ッ!?」
「……三船さん?」
「あ、いえ……階段のように、かわりばんこに手を置くと、テントウムシ、ずっと登り続けてしまうんですよね」
「そう、そうです!」
小さい頃、夏休みに父方の実家へ遊びに行った際、祖母に教わりました。
止まっている植物や、畑の塀等――。
テントウムシは、それらの一番上まで登ってから、小さな羽を遠慮がちに広げて飛ぶんです。
その思い出を語ると、白菊さんはとても嬉しそうに頷きました。
「その、一生懸命に見える感じが、私、好きで……そういう風に、私もなりたいかなぁって」
226Res/193.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20