58: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:03:57.35 ID:NMaauvKO0
◇◇◇◇
「牙突・零式って」
59: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:05:13.28 ID:NMaauvKO0
「そういえば、こんなの作ってきたんですよ。お酒が美味しすぎて忘れてました。」
「ダメ人間ですねえ、はっはっは」
「お揃いですねえ、うふふ」
「どういう意味ですかな、はっはっは」
60: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:05:55.11 ID:NMaauvKO0
「……楓さんにこんな一面があったとは。」
「どういう意味ですか?」
「のんべえオブのんべえだと思ってましたからね。てっきり自分で作れるのはおつまみくらいなもんだと」
61: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:07:36.11 ID:NMaauvKO0
「――さあ、復唱してください。楓さんは家庭的な料理も作れる素敵な女性です、嫁にしたい大好きです結婚しよう、はい」
「くっ……殺せ……!!」
楓さんの左目と同じ色をした魔性の四合瓶の輝きが、僕の中の劣情をちりちりと煽り立てる。
62: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:09:17.56 ID:NMaauvKO0
「……くふっ、ふ、ふっ……あははっ……っ!!」
悪魔のドリンクバーを敢行していた楓さんが、やがてころころと笑い出した。
どうしましたか、ようやく酔いましたか。
63: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:10:06.92 ID:NMaauvKO0
――――いっそ、和歌山にこのまま引きこもっちゃいますか。
アイドルも辞めて。プロデューサーも辞めて。ただのふたりで、いっしょに。
「幸い、お金はおっかねえくらいありますし。」
64: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:10:42.57 ID:NMaauvKO0
「なんというか……楓さんには、下を向いてほしくないですから。貴方は、笑ってる顔が一番いいんで」
少し面映ゆくて頬を掻きながら、なんとか、安心させたくて、思いつくことを言った気がする。
65: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:11:52.41 ID:NMaauvKO0
「酔うほどに、そんな恥ずかしいセリフが出てくるのなら、もっと飲んでいただきます」
「なんて劇物作ってんですか楓さん……」
「飲みなさい、飲んで飲んで飲み潰れて眠るまで飲むのです、さあさあさあ」
「くっ、この美人めんどうくせえっ!」
66: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:12:47.97 ID:NMaauvKO0
◆◆◆◆
ああ、しまった。
67: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:16:07.70 ID:NMaauvKO0
「わしはいい……若い者から回してやれ」
川島は地べたに腰掛けたまま、握り飯を配給しにきた少年隊士を、腕を振って下がらせた。
半分凍った握り飯だが、物資不足の今ではそれでも貴重すぎる補給だ。
ならば、少しでも元気な者からありつけさせてやるのが道理であろう。
68: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:17:57.92 ID:NMaauvKO0
「くそッ……くそうっ……ちきしょうめっ……!!」
煮えくり返る腸の忌々しさを抑えきれずに、川島は傷ついた自らの太腿を殴りつけた。
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